3/4 朝霧高原人穴で紅パール富士
満月は、1ヶ月に1度巡ってくる撮影イベント。
明るい月光下での夜の撮影や、月光紅富士などいろいろな狙いがありますが、
なんといっても「パール富士」が定番中の定番でしょう。
天気のことは除き、紅富士とパール富士のタイミングが重なって撮影できるのは、
東側の下りのパール、西側の上りのパールを合わせて月に3回程度?意外と少ないです。
気象条件的には「快晴」が望まれ、また毎月チャンスがあることから、「いつでも撮れるじゃん」とナメていたのは過去のこと。
いざ撮影を成功させようと思ったら、毎月毎月狙っていないとダメですね。
ダメ元でも行く。そして天気に賭ける。
実は、かなりの情熱で追いかけていないと手に入れられない光景なのです…
月撮りの名手である知人のベーゲンさんでも「撮れるのは年に数回」ということ。難しい!
とか言いながら、今回も直前までウジウジしていて「今日は行かなくていいや…」と思っていたのは内緒(^_^;)
朝からライブカメラを見ていましたが、14時くらいになり雲が増えてこないので、「撮れるかも?」と思って焦る。
ついでに翌朝の撮影計画が立ったのをキッカケに、急いで現地に向かいました。珍しく使った高速代が痛いです。
今回の撮影ポイントは朝霧高原の人穴と呼ばれる地域付近。
富士山に対する距離からいくつかのポイントが考えられたのですが、
地図上でちょうど「この辺りが良いかな!」と思ったところに、撮影できそうな空き地がありそう。
「行ってみないとわからない」というリスクあるポイント選びでもありましたが、
定刻の1時間ほど前に到着し、あたりを散策したところ無事にスタンバイすることができました。
もう二度と行かない気もするので、ポイントを公開しますがこんなところです。
パール富士の撮影は毎回撮影場所が細かく変わるので、二度同じポイントで撮ることはないですね。
ちなみに今回のポイントでは、月が富士山の剣ヶ峰部分から登場する時間が17時42分頃で、
(富士山山頂における)日没時刻が17時53分なので、その差およそ11分。
晴れていれば、ちょうど残照が富士山を照らして赤く染まる時間となりますが、天気次第で変わります。
これより富士山に近づいた場合、富士山が染まる時間はもちろん変わりませんが、月の出が数分遅くなります。
これより富士山から遠い位置で撮影すると、例えば139号線畜産試験場あたりでは、月の出が17時36分頃。
これだと私のポイントより6分ほど早い月の出となり、富士山の色が赤よりやや黄色になるという感じ。
しかし西の空が曇っていた場合は早いうちに残照が消える可能性もあり、非常に難しいせめぎあいです。
ここはもう、天気次第の賭けになります。
近年のパール富士人気(紅富士絡みに限る)はかなり高く、人がかなり殺到する事態になっています。
しかし今回のポイントはあまりにも変なところだったので、先客は一組の夫婦?のみで、非常にのんびりとした撮影でした。
その方は139号線方面などのポイントも下見してきたようで、「いっぱいいたよ」と言っていました。
実際に、何人かの知人もそちらで撮影していた様子。
さて、入り込んだポイントはこんなところ。この辺りは微妙にひと気があり薄気味悪く感じることもありますね。
そしてPENTAX67+300mm、Nikon D800E+150-600mmの2台でスタンバイ。 撮影チャンスが短いので、理想的にはもう一台くらいあると良いのですが、今はデジカメ1台しか持っていないのでこれで勝負です。
今回はまずタイムラプスから掲載しましょう!
理想的な「快晴」ではなく薄雲が漂いましたが、これもまた一興あります。
紅富士と夕焼けが同じ方向で見えることはほぼあり得ないので、なかなか作品に取り入れることは叶いませんね。
写真で時間を追って見ていきましょう。
写真は全てjpeg撮って出し。
16:57 雪煙が舞い、またちょっと手前が霞んだ様子もあるか?
ここから月が出てくると思うとワクワクします。
17:27 徐々に色味を帯びてくる富士山。なんだかこれだけでも綺麗です。
17:34 ん?ちょっと光が強くなったか?西の雲が太陽を遮ったりまた晴れたりで照り方が変化します。
ここにきて上空の雲が富士山に接近し、「一緒に取り入れて作品にしようか?」とソワソワしました。
雲も入れるなら150mmだと望遠すぎるかもしれない。
17:37 あら…色が薄いまま、もう暗くなってきました。やはり西の雲が邪魔して、紅富士はこれまでか…
17:40 あーあ。微妙な色だ…。
17:41 おっ月が出たぞ~!
17:42 ちょうど剣が峰と月が重なる定刻あたり。もう少し左寄りのほうが良かったですが、撮影ポイントが狭いため微調整はできず。
17:43 うん、ちょっと右寄りですね。あんまり望遠にすると周辺光量落ちが気になります。
残念ながら非常に弱い紅富士で、赤いのかどうかよくわからない色でした…
が!
17:43 ん?またピンク色が復活してきた!?
17:44 おお、赤くなってきた~!!
17:45 巻き返しの紅富士もいよいよ終わりに…。下から暗くなってきました。
17:46 上のほうだけ最後に残った残照に照らされる富士!こういうのが撮りたかった^^ 月が富士山に接してはいませんが、バランスは取れていて十分だと思います。
ただし露出差の問題でやや厳しいところもあります。
17:47 ラストの残照です。綺麗ですな~~。あっ右端に飛行機が(笑)
17:50 日没後、背後の空が夕焼けに染まります。順光なのであまり良くは見えませんが…
薄雲の効果で、月はぼんやりと滲みはじめます。
さて、月が出てからも撤収せず、しばらく美しい光景に見とれていました。
月が離れてきたので、150mmではだいぶ窮屈(笑)
先月も、パール富士が終わるとあっという間に帰ってしまうカメラマンがほとんどでしたが、勿体無い。
今回もだいぶ暗くなるまで撮影を楽しみました。
月が収まらなくなってきたので広角で。薄雲のアクセントがとても良かった!
また、光冠も出てきて楽しい撮影でした。 撮影ポイントも人工物が写り込まずに実はかなり良い所だったかもしれません。
この薄暗くなってからの富士山と月も実に見事だと思います。
富士山がうっすら明るいのは、よく「月が照らしている」と言っている人がいますが、太陽による明るさです。
太陽自体は沈んでいますが、まだ西の空が明るいので残照があるんですね。
自然を正しく理解して、もっと自然と仲良くなりたいと思います。
そしてこの残照の時間帯のパール富士も、必ず撮りたいです。
(1月に3人の知人が撮っていたものを見ましたが、素晴らしかった。)
本紅もいいけど2紅の雰囲気はスゴイ!次の目標にします。
~締め~
というわけで結果としては「まずまず」と言える撮影になったと思います。
薄雲が漂いだした時には、先月と同じシチュエーションがよぎりましたが、今回のほうが色が強く残り良かったです。
雲が出た割には、良く照らしてくれたと思います。雲が出やすくなる3月にしては上出来とも言えそうです。
また、私より後ろで撮っていた人たちは、紅が強くなったタイミングでは月がもう少し離れていたし、
私より前で撮っていた人は、前過ぎて紅が残っている間に月が出なかったとの話も。
結果的に、選んだポイントがちょうど良かったことになります。
もうわずかに前に出ればベストなタイミングで月と富士山を合わせることもできたでしょう。
スタンバイ前にあたりを散策したときに、撮れそうなポイントもあったので、そっちでもアリだったかもしれませんね。
Posted at 2015.03.08
Updated at 2015.03.16