8/6 4泊5日南アルプス白峰大縦走[5日目後半・笹山~奈良田/後記]
ついに全7編にもなった今回の山行記も、最終回です。
今回の旅の計画および全容は、ダイジェスト編をご覧ください。
各日の山行記はコチラ。
・初日
・2日目
・3日目
・4日目前半
・4日目後半
・5日目前半
北岳~笹山までの白峰稜線大縦走を終えて、ついに残すは下山のみ。
しかしまだまだトラブルも…
11時9分、いざ奈良田に向けて下山します。
噂には聞いていた急登の道。
展望もなく、淡々と下るのみです。
上の方は木が割りと密で、倒木多数箇所もあって、通過が少し厄介でした。 ここが道かよ!?っていう。この木の上を行きます。
途中、少し木が疎になっているところがり、いろいろと踏み跡があるので、
展望があるのかと思って再び散策。
ところが、ロクに展望などなく、騙されました。
曲がりくねった不思議な木と赤テープ。
登山道の雰囲気。
上の方ほど木が多い感じ。基本的に迷うような感じはありません。
広いところや狭いところ。マークも随所にあり。
あら、焚き火の跡が。
同じような景色。ひたすら淡々と下ります。
地図上にも表記されたガレ場です。ギリギリのところを道が通っている。
そのうち崩れそうですよ。
ガレ場より鳳凰三山の方面。
この尾根で一番眺めがいいのはここですね。
昨日~本日にかけて歩いてきた稜線。
起伏が少ないので、どこがどこかよくわかりませんでした。
ネット情報であったように、幕営跡地が点在していました。
登山道のど真ん中や脇に、大小いろいろなスペースが。
登山道の途中に点在しているので、どこにどんなスペースがあったか覚えきれません。
ただ、自分がこの尾根に幕営することはおそらくないと思われます…。
こんな森の中で一泊してまで登るような山ではないかと。
ときどき看板が出現。(※曇天のためブレブレです。)
水は、下山まで余裕があるかと思っていましたが、自炊などもあり案外減ってしまうものです。
昨日の昼に3L持っていて、24時間経ってもう無くなりそうです。
残り500mlを大切に飲みながら下山。
目指すは再び、水場!
標高1600m付近に、往復20分の水場があります。
そこから更に駐車場まで2時間のコースタイムなので、
そこで水を補給しないと干からびてしまいます。
往復20分程度、しかもアップダウンのないトラバースなら余裕でしょう。
駐車場までは長いが、目先の目標「水場」を目指して頑張ります。
淡々とした下りの道。
そして13時29分、念願の水場入り口に到着! 「水場入り口(標高1603m)
・これより400m程南側
・トラバース気味に往復20分程度」
とのこと。
非常に小さくて地味な看板、登山道にさりげなく登場しました。
さて、荷物をデポして水場へ向かいます。
今回は下山まで1.5Lもあれば十分。
ペットボトル3本を手に持って気軽に出発です。
が、いきなり道がよくわからない。
赤テープに導かれて、なんとなく進みます。
意外なことに、トレースはほぼなし!
道らしい道はありませんでした。
なんとなーく、うっすら人が歩いた跡がある程度。
ときどき木にテープが巻いてあるのが目印。
しかしテープが少ない。
テープからテープまで距離があり、歩いてみないと次のテープが見えません。
その間も、道らしい道なし。
非常に厄介な道です。
それでもなんとなくの雰囲気で進んでいくと、水の音が聞こえた!
水場の正体は、ただの沢でした。
最後に沢に向かって斜面を下ると到着。
沢から水を採取します。
雨の後などは、不純物が多く混ざりそうで、処理しないと心配な水かもしれません。
沢の向こう側には、何の道も山もないはずなのですが、割りと明瞭なトレースがあってビビりました。誰が歩くの?
さて、ここから戻りますが…
あれ?早速どこへ向かっていいか分からない。
なんとなく雰囲気で来た方へ戻ります。
時々テープが見える。
しかしこれ、沢に向かうときは適当に歩いても沢にぶつかりますが、
逆に戻るときは水場入り口の方向はよく分からないです。
しばらくトラバース気味に歩いていたつもりですが、全くテープがなくなってしまいました。
道をそれたか。
GPSの頼りなく、自力で戻れるか感覚を試して歩いてみた。
ところが、どうやら完全に見たことのない雰囲気の場所に紛れ込んだ!
しかも、なかなかあるはずの登山道に合流しない。
いよいよ心配になってスマホを取り出す。
GPSで確認すると、だいぶ道をそれていた…。
片道たった10分の道でも、あっけなく遭難しました。
何もない斜面で、GPSの位置も微妙にズレていたりして混乱しましたが、
斜面を登っていくと自分のザックを見つけて一安心。
まったく、本当に油断は禁物です。
それにしてもこの水場、行く人がかなり少ないのかもしれません。
踏み跡もテープも非常に弱い!
今回歩いてきた全行程の中でもっとも不明瞭な道とも言えるかもしれません。
(白河内岳の南側もかなりいやらしかったが。)
夜間はとてもじゃないけど歩けませんね。
こちらの水場をご利用の際は、GPSを持参の上、慎重にどうぞ。
さて、気を取り直して14時16分に再出発。
撮影が優先なのであまり時間を気にしていませんでしたが、早くもこんな時間ですよ。
水場に辿り着いた頃に、頭上で雷が鳴っていて焦りました。
そして水場から戻ってくる頃には、ポツリと雨の気配。
そして歩き出すと、どうやら雨は強くなってきた様子…
今日も来たか。14時半。
やはり朝の撮影が長いため、午後の行動に遅れが出てしまうのが痛いですね。
雨はみるみるうちに強くなり、ものすごい夕立が襲ってきました!
頭上では雷が轟いています。
ときどきドカーン!。
ん~。
この森の中で、非難する場所などない。
大きな木に落ちて、側撃を食らってご臨終でしょうか…。
大きな木のそばは危なそう。
しかしどこもかしこも大きな木ばかり。
これはもう、落ちたら終わり、それだけでしょう。
恐怖感はあまり感じない。もし死ぬなら一瞬の出来事?
覚悟を持って進むのみ!
まあ、そう簡単に人には落ちないはず…。
雨は非常に強く、スコール状態。
シャワーのようにずっと強く降ってきます。
豪雨の中で撮影した登山道。
しかしこのとき、レインウエアはあえて着ませんでした。
もう、濡れてもいいやと思って。
ちょっと疲れていたということもあるし。
びしょ濡れで下山しても、大して困ることはないだろうと。
いずれにしても車まであと2時間の距離。
ただザックの中身は濡れると厄介なので、ザックカバーはしっかりしますよ。
ということで、5日の山行の最後は土砂降りシャワー!
登山道は川のように水が流れ、木の枝から水がジョロジョロ流れてくる。
雨の森をいざ進め。
最近出来たルートというから踏み跡が薄いのかと思いましたが、
登山道はかなりしっかりしていて、普通の登山道とさして変わりありません。
点線で表記しなくても良いような気がします。
大雨の中でもとくに迷わずに歩けました。
標高を下げていくと、徐々に雨は弱まてきた。
1時間程度の夕立だったでしょうか。やがて雨上がり。
奈良田もいよいよ近づいてきたようで、
下の方から増水注意を促すような町内放送が聞こえてきます。
ある程度下りたところで、木に巻きつけられた白いものを発見。
下の方は植林地帯なのでしょう。
足元を見ると、水が流れた跡なのか、登山道がクッキリしているのが不思議でした。綺麗に水が流れるものです。
そしてついにここ!
奈良上部にある発電所関連施設か何か。
ネットで見たことのある建物です。駐車場も近いか。
しかしここから思ったよりまだ道が続く。
しかも雨上がりで濡れた危険なところ。
あたりは植林地帯。
これまでの尾根に比べて足場が柔らかくなり歩きづらいです。
一箇所、非常にぬかるんだ急斜面があり、
転ばないように慎重に、慎重に…
転びました…!
慎重に行っても転ぶとは(^_^;)
そして土砂降り直後のぬかるんだ斜面。
全身泥まみれとなってしまいました!
憎きこの斜面を撮影してやりました。かなり急なところです。
そのうち、鉄パイプの手すりがある道。
すっかりもう人工的な雰囲気。
「間伐作業中」の看板までたどり着きました。
この看板の地点が分岐になっていて、登るときは戸惑うかもしれません。
登りは、左側へ進むのが正解。
よく見たら小さな看板がありました。
さあいよいよ山への入り口部分です!15時29分!
登るときはここを入っていきます。
奈良田湖が見えたよ~!
笹山登山口の入り口は左上の轍。登りはわかりづらそうです。
そして最後にここを渡渉!おそらく先ほどの夕立で増水したと思われます。
濁った水がジャージャーと流れる。 石の上をバランスを崩さずに行けば、浸水せずに済みます。
道路沿いの看板。
トンネルを抜けました。
(入山方向で写真を撮っています)
吊り橋が見えた♪あそこを渡れば駐車場。
ちなみに笹山方向へは案内板もありです。
いよいよ最後の吊り橋…!
濁流の奈良田湖。吊り橋から。 夕立が上がり、もうすっかり青空が広がっていました。
そして到着、駐車場!!!!
15時43分でした。
笹山南峰出発が11時過ぎだったので、それから4時間半以上。
水場でのタイムロスが30分以上あったとはいえ、少々遅いペースでしょうか。
水場のロスを除けば、コースタイムより少し短いくらい。
(下りコースタイムが4時間40分)
下りだったので辛くはなかったけど、やはり長い道のりでした。
ここを登ることを考えたら、やはりしんどいですね…。
それにしても!
ついに奈良田に戻ってきました!
ここにやってきたのはなんと4日前の朝ですよ。
あれから5日目、この場所についに戻りました。
この達成感たるや。
ここから北岳の麓まではバスで1時間も北上しました。
その区間を稜線歩きで南下してきた、この素晴らしき移動距離。
本当にあの長い稜線を歩いてきたんだなという達成感!
そして5日間もほぼ山の上で過ごしたという非日常。
とにかく素晴らしい経験だったじゃないですか。
そして健康に、無事に下山した喜び。
満足感、充実感に満ちた下山となりました。
疲れたけど、体力的にはまだ余裕があります。
最終日はほぼ平行移動と下りで、登ってないですし。
不思議なことに筋肉痛にもならなかったんですね。
動かなければなったでしょうけど、毎日ハードに動き続けると筋肉痛になる暇もないということでしょうか。
最後は体力的余裕もあり、奥の駐車場に停めた車を取りに行くために走ったほど。
バス待合所付近の駐車場に停めればよかったのですが、
よく分からずに奥の駐車場に入れてしまったので、そこまでが最後の歩きでした。
(歩いても10分程度かな)
温泉に入って帰るのがもちろん定番ですが、なんだかんだで結局温泉利用せず。
いくつも温泉がありどこへ入っていいか考えるのも面倒だったのと、
雨で全身濡れてある意味サッパリしていたこと(笑)
それから、「疲れた」からこその温泉だと思うが、
疲れたよりも「やりきった」満足感のほうが強くて、まだまだ元気だったこと。
早い人なら3日で回れるコースを5日かけたことも良かったかもしれません。
撮影もゆっくりできたし。
~5日間を振り返って~
とにかく大満足の5日間縦走でした。素晴らしかった。
毎日ピーカンでしたが、健全な山歩きの証!やはり歩くのに雨はしんどい。
数々の道迷い、プチ遭難、夕立、水場での疲労なんかもありましたがこの辺りはある程度想定の範囲。
唯一のトラブルといえば4日目、トレッキングポールの先端紛失くらいか。
概ね問題もなく、歩ききることができました。
体力的には未知数でしたが、十分に体力はあったようです。
5日間の山上生活もクリア。
一応、食事はもう1食分は残しましたが、この長期ではもう少し余裕があっても良いかと。
ある意味、食料はギリギリ。
チョコレートや細かいお菓子類も全部食べてしまったのは意外でした。
しっかりした自炊は1日1回程度で、結局いつでも手軽に食べられる物のほうが便利でした。
初めてのテント泊でいきなり4泊というのもチャレンジでしたが、問題なく。
そりゃ、家のベッドで寝るような感覚ではないですが、軽自動車の車中泊よりよっぽど広かったです。
そしてテント場から富士山が見えるのも素晴らしいこと。
また、テント内は猛暑のこの時期でも、夜は結露しました。
特に夕立で湿度が上がっているときなど。
シュラフカバーは持参して正解。
汗ふきタオルでテント内外をしょっちゅう拭いてました。
またテント内では、ダウンジャケットなどの放置に注意!濡れます。
グラウンドシートは薄っぺらい銀マットを使いましたが、
サイズも小さく大いに問題あり。テントの底面が少し傷付いたかも。
大きめのレジャーシートなど、丈夫なものにするのが正解でしょう。
雨天時は泥はねが気になるが、対処法はなさそうです。
シングルウォールテントのため雨に濡れた場合の入り口の雫も厄介でした。
前室フライを別途で購入すると高くつくし、装備も重くなってしまいます。
我慢しますか。
雨天時に備えて靴をテント内にしまうため、靴を入れる袋が必要でした。
想定外であったものの、袋は持っていたのでOK。
寝てる間に降られても困りますから、これは重要ですね。
そしてちょっとした外出のためにサンダルがあると便利ということを教えてもらいました。
ちょっと荷物になるので、持っていくか悩ましいところではありますが。
今回、重要な忘れ物はなかったとは思うが、いくつか欲しい荷物も。
まずはライターが一番焦ったものでしょうか。
ガスが着火しなかったら食事ができずに下山するハメになっていたかも。
それからあえて置いてきたツェルトはやはりあったほうが良さそう。
緊急で取り出してさっと被れると便利。
水は、最低3Lは持てる容器を最初から持参したほうが良いことを学びました。
もう少しあってもいいかも。
手が汚れた際なんかにも少し水を使ってしまいましたが、
代わりにウエットティッシュがあると解決できそうです。
食料は、多少重くてももう少し持って行って良さそう。
特にチョコレートなどの小物も、長期間だとどんどんなくなります。
あとはもしものための予備も大事です。
今回はカメラのバッテリーに関してはヒヤヒヤしたので、もう少し予備は多めにあると良い。
スマホのバッテリーはソーラーパネル+予備バッテリーで十分でした。
ただし快晴にならないとソーラーが使えないので、
天気次第では若干ピンチだった可能性もあります。
いずれにしても、スマホに頼らない山行をすることは大事でしょう。
こんなところでしょうか、今回の反省と振り返り。
とにかく一言、素晴らしい経験だった!と言えます。
ほぼ全日が行動日だったにも関わらず、毎日晴れていたのはやはり幸運だったでしょう。
また近々、別の山域を縦走したいと考えています。
今回の経験に甘んじず、また慎重に山行を行いたいと思います。
今回は5日分のブログ記事を、これでもかと詳細に書いてきました。
自分が情熱を込めた出来事を記録するという意味合いが強いですが、
見ている人にも何か伝えたり、与えられるものがあれば幸いです。
最後まで読んでくださった方には、感謝いたします!
それでは改めて、南アルプスありがとう!
そして次なる旅を自分も楽しみにして、また見てくださる方も是非お楽しみに!
今回の旅の計画および全容は、ダイジェスト編をご覧ください。
各日の山行記はコチラ。
・初日
・2日目
・3日目
・4日目前半
・4日目後半
・5日目前半
北岳~笹山までの白峰稜線大縦走を終えて、ついに残すは下山のみ。
しかしまだまだトラブルも…
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11時9分、いざ奈良田に向けて下山します。
噂には聞いていた急登の道。
展望もなく、淡々と下るのみです。
上の方は木が割りと密で、倒木多数箇所もあって、通過が少し厄介でした。 ここが道かよ!?っていう。この木の上を行きます。
途中、少し木が疎になっているところがり、いろいろと踏み跡があるので、
展望があるのかと思って再び散策。
ところが、ロクに展望などなく、騙されました。
曲がりくねった不思議な木と赤テープ。
登山道の雰囲気。
上の方ほど木が多い感じ。基本的に迷うような感じはありません。
広いところや狭いところ。マークも随所にあり。
あら、焚き火の跡が。
同じような景色。ひたすら淡々と下ります。
地図上にも表記されたガレ場です。ギリギリのところを道が通っている。
そのうち崩れそうですよ。
ガレ場より鳳凰三山の方面。
この尾根で一番眺めがいいのはここですね。
昨日~本日にかけて歩いてきた稜線。
起伏が少ないので、どこがどこかよくわかりませんでした。
ネット情報であったように、幕営跡地が点在していました。
登山道のど真ん中や脇に、大小いろいろなスペースが。
登山道の途中に点在しているので、どこにどんなスペースがあったか覚えきれません。
ただ、自分がこの尾根に幕営することはおそらくないと思われます…。
こんな森の中で一泊してまで登るような山ではないかと。
ときどき看板が出現。(※曇天のためブレブレです。)
水は、下山まで余裕があるかと思っていましたが、自炊などもあり案外減ってしまうものです。
昨日の昼に3L持っていて、24時間経ってもう無くなりそうです。
残り500mlを大切に飲みながら下山。
目指すは再び、水場!
標高1600m付近に、往復20分の水場があります。
そこから更に駐車場まで2時間のコースタイムなので、
そこで水を補給しないと干からびてしまいます。
往復20分程度、しかもアップダウンのないトラバースなら余裕でしょう。
駐車場までは長いが、目先の目標「水場」を目指して頑張ります。
淡々とした下りの道。
そして13時29分、念願の水場入り口に到着! 「水場入り口(標高1603m)
・これより400m程南側
・トラバース気味に往復20分程度」
とのこと。
非常に小さくて地味な看板、登山道にさりげなく登場しました。
さて、荷物をデポして水場へ向かいます。
今回は下山まで1.5Lもあれば十分。
ペットボトル3本を手に持って気軽に出発です。
が、いきなり道がよくわからない。
赤テープに導かれて、なんとなく進みます。
意外なことに、トレースはほぼなし!
道らしい道はありませんでした。
なんとなーく、うっすら人が歩いた跡がある程度。
ときどき木にテープが巻いてあるのが目印。
しかしテープが少ない。
テープからテープまで距離があり、歩いてみないと次のテープが見えません。
その間も、道らしい道なし。
非常に厄介な道です。
それでもなんとなくの雰囲気で進んでいくと、水の音が聞こえた!
水場の正体は、ただの沢でした。
最後に沢に向かって斜面を下ると到着。
沢から水を採取します。
雨の後などは、不純物が多く混ざりそうで、処理しないと心配な水かもしれません。
沢の向こう側には、何の道も山もないはずなのですが、割りと明瞭なトレースがあってビビりました。誰が歩くの?
さて、ここから戻りますが…
あれ?早速どこへ向かっていいか分からない。
なんとなく雰囲気で来た方へ戻ります。
時々テープが見える。
しかしこれ、沢に向かうときは適当に歩いても沢にぶつかりますが、
逆に戻るときは水場入り口の方向はよく分からないです。
しばらくトラバース気味に歩いていたつもりですが、全くテープがなくなってしまいました。
道をそれたか。
GPSの頼りなく、自力で戻れるか感覚を試して歩いてみた。
ところが、どうやら完全に見たことのない雰囲気の場所に紛れ込んだ!
しかも、なかなかあるはずの登山道に合流しない。
いよいよ心配になってスマホを取り出す。
GPSで確認すると、だいぶ道をそれていた…。
片道たった10分の道でも、あっけなく遭難しました。
何もない斜面で、GPSの位置も微妙にズレていたりして混乱しましたが、
斜面を登っていくと自分のザックを見つけて一安心。
まったく、本当に油断は禁物です。
それにしてもこの水場、行く人がかなり少ないのかもしれません。
踏み跡もテープも非常に弱い!
今回歩いてきた全行程の中でもっとも不明瞭な道とも言えるかもしれません。
(白河内岳の南側もかなりいやらしかったが。)
夜間はとてもじゃないけど歩けませんね。
こちらの水場をご利用の際は、GPSを持参の上、慎重にどうぞ。
さて、気を取り直して14時16分に再出発。
撮影が優先なのであまり時間を気にしていませんでしたが、早くもこんな時間ですよ。
水場に辿り着いた頃に、頭上で雷が鳴っていて焦りました。
そして水場から戻ってくる頃には、ポツリと雨の気配。
そして歩き出すと、どうやら雨は強くなってきた様子…
今日も来たか。14時半。
やはり朝の撮影が長いため、午後の行動に遅れが出てしまうのが痛いですね。
雨はみるみるうちに強くなり、ものすごい夕立が襲ってきました!
頭上では雷が轟いています。
ときどきドカーン!。
ん~。
この森の中で、非難する場所などない。
大きな木に落ちて、側撃を食らってご臨終でしょうか…。
大きな木のそばは危なそう。
しかしどこもかしこも大きな木ばかり。
これはもう、落ちたら終わり、それだけでしょう。
恐怖感はあまり感じない。もし死ぬなら一瞬の出来事?
覚悟を持って進むのみ!
まあ、そう簡単に人には落ちないはず…。
雨は非常に強く、スコール状態。
シャワーのようにずっと強く降ってきます。
豪雨の中で撮影した登山道。
しかしこのとき、レインウエアはあえて着ませんでした。
もう、濡れてもいいやと思って。
ちょっと疲れていたということもあるし。
びしょ濡れで下山しても、大して困ることはないだろうと。
いずれにしても車まであと2時間の距離。
ただザックの中身は濡れると厄介なので、ザックカバーはしっかりしますよ。
ということで、5日の山行の最後は土砂降りシャワー!
登山道は川のように水が流れ、木の枝から水がジョロジョロ流れてくる。
雨の森をいざ進め。
最近出来たルートというから踏み跡が薄いのかと思いましたが、
登山道はかなりしっかりしていて、普通の登山道とさして変わりありません。
点線で表記しなくても良いような気がします。
大雨の中でもとくに迷わずに歩けました。
標高を下げていくと、徐々に雨は弱まてきた。
1時間程度の夕立だったでしょうか。やがて雨上がり。
奈良田もいよいよ近づいてきたようで、
下の方から増水注意を促すような町内放送が聞こえてきます。
ある程度下りたところで、木に巻きつけられた白いものを発見。
下の方は植林地帯なのでしょう。
足元を見ると、水が流れた跡なのか、登山道がクッキリしているのが不思議でした。綺麗に水が流れるものです。
そしてついにここ!
奈良上部にある発電所関連施設か何か。
ネットで見たことのある建物です。駐車場も近いか。
しかしここから思ったよりまだ道が続く。
しかも雨上がりで濡れた危険なところ。
あたりは植林地帯。
これまでの尾根に比べて足場が柔らかくなり歩きづらいです。
一箇所、非常にぬかるんだ急斜面があり、
転ばないように慎重に、慎重に…
転びました…!
慎重に行っても転ぶとは(^_^;)
そして土砂降り直後のぬかるんだ斜面。
全身泥まみれとなってしまいました!
憎きこの斜面を撮影してやりました。かなり急なところです。
そのうち、鉄パイプの手すりがある道。
すっかりもう人工的な雰囲気。
「間伐作業中」の看板までたどり着きました。
この看板の地点が分岐になっていて、登るときは戸惑うかもしれません。
登りは、左側へ進むのが正解。
よく見たら小さな看板がありました。
さあいよいよ山への入り口部分です!15時29分!
登るときはここを入っていきます。
奈良田湖が見えたよ~!
笹山登山口の入り口は左上の轍。登りはわかりづらそうです。
そして最後にここを渡渉!おそらく先ほどの夕立で増水したと思われます。
濁った水がジャージャーと流れる。 石の上をバランスを崩さずに行けば、浸水せずに済みます。
道路沿いの看板。
トンネルを抜けました。
(入山方向で写真を撮っています)
吊り橋が見えた♪あそこを渡れば駐車場。
ちなみに笹山方向へは案内板もありです。
いよいよ最後の吊り橋…!
濁流の奈良田湖。吊り橋から。 夕立が上がり、もうすっかり青空が広がっていました。
そして到着、駐車場!!!!
15時43分でした。
笹山南峰出発が11時過ぎだったので、それから4時間半以上。
水場でのタイムロスが30分以上あったとはいえ、少々遅いペースでしょうか。
水場のロスを除けば、コースタイムより少し短いくらい。
(下りコースタイムが4時間40分)
下りだったので辛くはなかったけど、やはり長い道のりでした。
ここを登ることを考えたら、やはりしんどいですね…。
それにしても!
ついに奈良田に戻ってきました!
ここにやってきたのはなんと4日前の朝ですよ。
あれから5日目、この場所についに戻りました。
この達成感たるや。
ここから北岳の麓まではバスで1時間も北上しました。
その区間を稜線歩きで南下してきた、この素晴らしき移動距離。
本当にあの長い稜線を歩いてきたんだなという達成感!
そして5日間もほぼ山の上で過ごしたという非日常。
とにかく素晴らしい経験だったじゃないですか。
そして健康に、無事に下山した喜び。
満足感、充実感に満ちた下山となりました。
疲れたけど、体力的にはまだ余裕があります。
最終日はほぼ平行移動と下りで、登ってないですし。
不思議なことに筋肉痛にもならなかったんですね。
動かなければなったでしょうけど、毎日ハードに動き続けると筋肉痛になる暇もないということでしょうか。
最後は体力的余裕もあり、奥の駐車場に停めた車を取りに行くために走ったほど。
バス待合所付近の駐車場に停めればよかったのですが、
よく分からずに奥の駐車場に入れてしまったので、そこまでが最後の歩きでした。
(歩いても10分程度かな)
温泉に入って帰るのがもちろん定番ですが、なんだかんだで結局温泉利用せず。
いくつも温泉がありどこへ入っていいか考えるのも面倒だったのと、
雨で全身濡れてある意味サッパリしていたこと(笑)
それから、「疲れた」からこその温泉だと思うが、
疲れたよりも「やりきった」満足感のほうが強くて、まだまだ元気だったこと。
早い人なら3日で回れるコースを5日かけたことも良かったかもしれません。
撮影もゆっくりできたし。
~5日間を振り返って~
とにかく大満足の5日間縦走でした。素晴らしかった。
毎日ピーカンでしたが、健全な山歩きの証!やはり歩くのに雨はしんどい。
数々の道迷い、プチ遭難、夕立、水場での疲労なんかもありましたがこの辺りはある程度想定の範囲。
唯一のトラブルといえば4日目、トレッキングポールの先端紛失くらいか。
概ね問題もなく、歩ききることができました。
体力的には未知数でしたが、十分に体力はあったようです。
5日間の山上生活もクリア。
一応、食事はもう1食分は残しましたが、この長期ではもう少し余裕があっても良いかと。
ある意味、食料はギリギリ。
チョコレートや細かいお菓子類も全部食べてしまったのは意外でした。
しっかりした自炊は1日1回程度で、結局いつでも手軽に食べられる物のほうが便利でした。
初めてのテント泊でいきなり4泊というのもチャレンジでしたが、問題なく。
そりゃ、家のベッドで寝るような感覚ではないですが、軽自動車の車中泊よりよっぽど広かったです。
そしてテント場から富士山が見えるのも素晴らしいこと。
また、テント内は猛暑のこの時期でも、夜は結露しました。
特に夕立で湿度が上がっているときなど。
シュラフカバーは持参して正解。
汗ふきタオルでテント内外をしょっちゅう拭いてました。
またテント内では、ダウンジャケットなどの放置に注意!濡れます。
グラウンドシートは薄っぺらい銀マットを使いましたが、
サイズも小さく大いに問題あり。テントの底面が少し傷付いたかも。
大きめのレジャーシートなど、丈夫なものにするのが正解でしょう。
雨天時は泥はねが気になるが、対処法はなさそうです。
シングルウォールテントのため雨に濡れた場合の入り口の雫も厄介でした。
前室フライを別途で購入すると高くつくし、装備も重くなってしまいます。
我慢しますか。
雨天時に備えて靴をテント内にしまうため、靴を入れる袋が必要でした。
想定外であったものの、袋は持っていたのでOK。
寝てる間に降られても困りますから、これは重要ですね。
そしてちょっとした外出のためにサンダルがあると便利ということを教えてもらいました。
ちょっと荷物になるので、持っていくか悩ましいところではありますが。
今回、重要な忘れ物はなかったとは思うが、いくつか欲しい荷物も。
まずはライターが一番焦ったものでしょうか。
ガスが着火しなかったら食事ができずに下山するハメになっていたかも。
それからあえて置いてきたツェルトはやはりあったほうが良さそう。
緊急で取り出してさっと被れると便利。
水は、最低3Lは持てる容器を最初から持参したほうが良いことを学びました。
もう少しあってもいいかも。
手が汚れた際なんかにも少し水を使ってしまいましたが、
代わりにウエットティッシュがあると解決できそうです。
食料は、多少重くてももう少し持って行って良さそう。
特にチョコレートなどの小物も、長期間だとどんどんなくなります。
あとはもしものための予備も大事です。
今回はカメラのバッテリーに関してはヒヤヒヤしたので、もう少し予備は多めにあると良い。
スマホのバッテリーはソーラーパネル+予備バッテリーで十分でした。
ただし快晴にならないとソーラーが使えないので、
天気次第では若干ピンチだった可能性もあります。
いずれにしても、スマホに頼らない山行をすることは大事でしょう。
こんなところでしょうか、今回の反省と振り返り。
とにかく一言、素晴らしい経験だった!と言えます。
ほぼ全日が行動日だったにも関わらず、毎日晴れていたのはやはり幸運だったでしょう。
また近々、別の山域を縦走したいと考えています。
今回の経験に甘んじず、また慎重に山行を行いたいと思います。
今回は5日分のブログ記事を、これでもかと詳細に書いてきました。
自分が情熱を込めた出来事を記録するという意味合いが強いですが、
見ている人にも何か伝えたり、与えられるものがあれば幸いです。
最後まで読んでくださった方には、感謝いたします!
それでは改めて、南アルプスありがとう!
そして次なる旅を自分も楽しみにして、また見てくださる方も是非お楽しみに!
Posted at 2015.08.20
Updated at 2015.08.20