8/3 4泊5日南アルプス白峰大縦走[2日目・北岳ステイ]
こちらは全5日の行程のうちの2日目の撮影記となります。
今回の旅の計画および全容は、ダイジェスト編をご覧ください。
初日の山行記はコチラ。
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南アルプス大縦走の2日目、朝を迎えるのは最初です。
結局、登山道で夜通しの撮影を続けてしまってそのまま朝に。
ちょうどいいスペースがあり、登山道に荷物を広げ、
マットを敷いて、寝袋も出して下半身は寝袋に突っ込み。
三脚は低くセットして、座って撮れる状態で撮影していました。
体力は温存できました。
そしていよいよ朝!
まずはシャッター速度の難しい夜明けのバルブ。 まずまず撮れました。
水色系の空の色は、月光による影響も出ています。
だいぶ左側からの御来光となり、遮光気味の難しい光線となります。
PLフィルタをかけても富士山より右側くらいにしかほとんど効き目がないし難しい。
一番撮りづらい光線かもしれませんね。
ここで活躍したのがハーフNDフィルタ。
普段はあまり使いたくない派なので持っていくかも悩んだくらいですが、
これから先の4日間、毎日大活躍でした。
特に広角では左右の光量差が大きすぎて、
ハーフNDフィルタなしではマトモに露出できません。
さすがにここまでの光量差がある場合は、ガンガン使わせていただきます。
(そのほうが自然に仕上がる)
こちらはPLフィルタも効かせて朝焼けと反薄明光線を強調。
PLフィルタを使うとより明るさに偏りが出るので、PLとハーフNDの合わせ技です。
夜中はガス状だった雲海も、低く落ち着いて形状のあるものに。
これは予想外の好展開です。
日の出の直前、この辺りがベストショットでしょうか。
なんと櫛形山から手前側にも雲海が入ってきました。
(夜明けまでは薄いガスだった。)
御来光には目もくれず(笑)富士山方向を撮影します。
上空の空気の層が朝焼けに染まるので、直接富士山に日が当たらなくても富士山が赤く見える現象。
こちらはスマホで撮影。
太陽はちょうど八本歯の頭の裏にあるらしく、隠れていました。
北岳山荘までもう少しの位置。撮影ポイントから間ノ岳方面を見ると、モルゲンロートに染まっていました。
やがて手前の山脈も染まった!
こういう定番以外の構図で撮影することは、今回本当に少なかった。
そして太陽も昇ってくると手前の山並みに光が差し込むのです。
これも今回重要なテーマとして狙っていたシーン。
この光線を撮るには、今の時期が一番良いでしょう。
薄いガスも出やすいし、太陽の位置もちょうどいい。 なかなか狙い通りの一枚です!お見事。
その後も撮影を続け、徐々に空は青空へ。
雲海は白く輝き眩しいです。 雲海も平らに落ち着いて山並みに入り込み、見事。
初日からなかなかの条件でしょう!
この日に登ってきてよかった!出発が遅れていたらこの写真は撮れなかった。
さあ、明るくなってくると登山者が動き出す。
ここは北岳山荘から近いものの、山頂方面に行くときには通らないので
あまり人は来ないと思っていた…。
その予想は概ね当たったが、明るくなったら徐々に人が来る(^_^;)
登山道を半分塞いで撮影する迷惑カメラマン。
通りすがる人に平謝りしてやり過ごし。
遠くに団体が見えたので急いで荷物を撤収しました。
そして私も歩き出す。
北岳山荘まではわずか10分程度の距離でした。
山荘のテント場に移動すると、もうちょい撮影。
「テントと富士山」を撮ろうかとも思っていたのですが、
のんびり撮影していたらほとんどのテントが撤収済み!テン場はガラガラでした。
6時12分、iPhoneで撮影。
やはり山の朝は早い。
カメラマンが一番のんびりしてます。
ちょっと北岳山荘付近を散策。
テント場から望む北岳山荘と北岳です。
寝不足もひどい状態だし、今日は北岳にステイするため、朝から早速テントの受付をします。
行動パターンが登山者と真逆のカメラマン。
山荘の仕事も一段落したタイミングだったのか、受付の方も穏やかな様子。
テント泊は、小屋泊の料金は取られないものの、800円となります。
地味な負担ですが、整地された快適な場所、水やお湯、トイレなども自由に使えるということで。
山小屋の存在は本当に有り難いものです。 ちなみに今の時期は布団1枚に2人で寝るそうで。山荘に泊まるのは辛いよ…
ここで、初めてのテント場での幕営。
テントの組み立て自体は一度練習していて、2回目のこと。
ついに本番でした。
ちなみに今回、スマートフォンの充電のためにソーラーパネルを持参しました。
ちょっと重いのですが、5日の縦走で電源を確保するため、必要性が高いなと。
ちなみに北岳山荘の周辺は安定して電波が入ることが経験上わかっていたのですが、
なぜかこの夏は不安定で、繋がらないことも多かったです。
ちなみに私はauですが、ドコモは山荘がアンテナを立てているそうですよ。
さて初めてのテント幕営で、いよいよテント内で寝ましょう!
…と思ったのですが、まさかの事態。
なんと、暑すぎたのです。
直射日光が降り注ぐ山の上。
テントの中はあっという間に温度上昇。
外にいても日光が暑く、中に入ると蒸し風呂状態。
結論:テント内で寝ることは不可能。
寝不足状態だったのですぐにでも寝たかったのですが、まさかの睡眠妨害。
これは困りました。
テント内に入っても休憩程度しかできず、辛い時間を過ごします。
その間も富士山撮影。
ちょっとだけ出た雲が、良かったね。 青い空に白い雲海、実に綺麗!
11時を過ぎ、見ると雲も沸き立ってきた様子で富士山も隠れそうに。
このままそろそろガスが上がってくるだろうと思い、
このタイミングで旧北岳小屋跡付近の水場へ行ってみることに。
水に関しては北岳山荘で汲み上げているものが無料で飲める状態ですが、
そこで水浴びするわけにもいかないし、節水を促されている。
水場へ行くとジャバジャバと出ている水を自由に使うことができます。
水場までは標高差300m、往復90分とかなり遠いものの、
暇ならば、ちょっとした散歩と思えば良いでしょう。ちなみに行くのは去年に続き、2回目。
このためにわざわざ買ったサブザックに、着替えと空のペットボトルなどを詰めて、下っていきます。
北岳のテント場付近が入り口。ここから一気に急斜面を下ります。
狭くて砂が崩れ落ちるほどの急斜面を下っていきます。
正直、道が悪いです。
道中には、北岳山荘へ組み上げるためのホースなどがあり。
ちょっとした道標です。
これが北岳小屋の跡地か。木材が散乱。
小屋跡から更に脇道を下りたところで、到着!
これが水を汲み上げるための小屋?のようなものです。
中がどうなっているのかは不明。
水源がどうなっているのかは、小屋に隠されて不明。
小屋の脇からパイプが出ていて、パイプの隙間に大量の冷たい水。
なんか変な雰囲気ですが、ここから水を取ることができます。
こちらで洗髪したり、歯磨きしたり、自由に使わせていただきました。
水はとても冷たくて寒いくらいだ!
飲料水自体は北岳山荘で汲めるので500mlだけにしましたが、
こちらのほうが冷たくて、当然のように新鮮で美味しかったように思います。
もしここまで下るならば、ここで水を取るのがオススメ。
さておよそ1時間にも及ぶ登り返し。
せっかく汗をぬぐったのですが、この登り返しで再び汗だくに。
まあ、仕方ない…
テント場に戻ってくる頃には、あたりはガスっていました。
緑が私のテント。
さて、これでようやく長い長い無睡眠期間が終わりか。
あたりがガスって直射日光が遮られると、一気に涼しくなります。
テント内、なんとか寝れそう!
テントに潜り込んで徐々に睡眠モードへ。
水に粉を溶かして作るスポーツドリンクなんかも持参していたので、そんな作業も。
メダリスト1L用です。
するとちょうどこのタイミングで、雷が鳴り出して、一気に雷雨へ!!!
山の天気は変わりやすいというが、正にその通り。
本当に一気に悪天になりました。
これがテントのすごさ。
中にいれば一切濡れることもありません!
テントさんありがとう。
ただし雷に関しては、ダメでしょう。
落ちたらアウトか。
万全を期すならば山荘に逃げ込んだほうが良いのでしょうが、
こればかりはさすがに雷撃で死ぬなんて確率が低いだろうと思って、
テント内でやり過ごします。
それにしても14時頃をピークに、あまりにすごい雷雨となりました。
ひどすぎる天気。
14時ともなれば、まだ山を歩いている人も少なくないはず。
この時間にこの雷雨とは、超危険です。
この翌日、ちょうどこの時間に八本歯のコル下のハシゴを登っていたという方とお話をしました。
その方は20年も山登りをやっているが、このような雷雨は初めてで、怖かったとのこと。
私も、もし今日登山しているようだとどこかでこの雷雨に直撃されていたことでしょう。
本当に運が良かった!
通常であれば「15時までに小屋に着く」というのがセオリーで、
14時に雷雨があるというのは想定外のはずです。
地球温暖化か異常気象か、どうも雷雨の時間が繰り上げになっておかしなことになっているようです。
いずれにしても真夏の午後の山はちょっと危険が伴うことを意識しておいたほうが良いでしょう。
雷雨は長く続きましたが、日没にかけて徐々に落ち着いていった様子。
私は涼しくなったテント内で睡眠モードになり、あまり記憶がありません。
雨が上がると「虹が出てる」と声が聞こえて、外をチェック。
この目で虹は見ましたが、写真には撮らず再び爆睡……。
そして夕暮れになり、富士山が見えれば撮影したかったところですが、
ご覧の通り富士山は見えず、この日は終了でした。
こうして山行2日目の終わりを迎えます。
この日は寝不足と暑さの苦しみがあり、水場の往復がありましたが、
基本的には北岳山荘に滞在しただけの1日でした。
3日目の山行記へ続きます。
Posted at 2015.08.12
Updated at 2015.08.13