富士山の浸食谷に作った砂防壁が黒くなった件
富士山写真家 オイです。
ツイッターで砂防壁の変化についてつぶやいたところ、思ったより反響があったので、ブログにもまとめておきます。
以前撮影したときに気になっていた砂防壁(正式な名前はわかりません)が、最新の撮影で色が変わっていたことに気づきました。
問題の砂防壁は、これです。
これがどこにあるかというと、この写真の中央やや左の部分。
けっこうな大きさがあるため、富士山をアップで撮影すとそれなりに目立ちます。
これを撮影したのが、2017年8月31日です。
撮影地は朝霧高原の国道沿いです。(撮影場所)
以前から気になっていた砂防壁だったんですが、以前の写真と比べてみると、色が変わっていることがわかったのです。
確かに、去年のほうがより目立っていた気がする…
その去年、10月に撮影した写真がこちら。
2016年10月9日に撮影したもので、撮影地は最新の写真と同じく朝霧高原の近い位置からです。
季節や光の状態が少し違うので、気のせいかな?とも思ったのですが、明らかにやはり色が違うと思います。
以前は白っぽかった。最新の写真では、明らかに黒っぽい。
結果的には少し目立たなくなって良いという感じです。
この砂防壁は、朝霧高原の北部や富士ヶ嶺高原から富士山を撮るとほとんど隠れることなくよく見える場所にあったので、以前から気になっていました。
結果的には景観に配慮して色が付けられたようで、少し安心しました。
もう少し、砂に近い色にしてくれればもっと目立たないのに、と思いつつ^^;
さらにその前の2016年8月にも既に気になっていたので、その時の写真も。
少し撮影場所が違うものの、やはりやや目立っていました。
そして、現在と少し形が違う?
日没後、さらに寄ってみるとそこにはユンボがありました!まさに工事中?
そういえば、以前に空撮したときにもこの砂防ダムが写り込んで、違和感を感じたことがありました。
2015年の12月になります。
よく見ると、このときはまださらに白っぽくて真新しい感じがします。
この頃に作られたのでしょうか。
ちなみにこの砂防壁は、富士山の5合目へ続く有料道路・富士スバルラインのもっとも南側に伸びているヘアピンカーブの直上に当たります。
西側には最大の浸食谷である大沢崩れをはじめ、浸食谷が多い印象です。
地図で見るとけっこうわかりやすいです。
これを見る限り明らかに、道路のほうに土砂が流れこないように、道路のないほうに土砂を流そうとしています。
そんなことしちゃっていいの…?と思ったりもしますが…道路を作るために仕方なかったんでしょうね。
この道路が通行料を2000円以上も取り続けているのは、こういうところにお金が掛かっているからなんだと思います。
常に整備費がか掛かっていると。
さらに4合目~5合目あたりまでは、いくつもの浸食谷を横切る作りになっており、なんだか恐ろしい道路にも思いますね。
崩れていこうとする自然の力に逆らって、横に道路を走らせる。かなり激しいことをしているな、と思ってしまいます。
日本中いろんなところでやっていることなんでしょうけど、富士山の美しい山体でやっていると、余計に目立ちます。
以前、「五合目までケーブルカーを通して負荷を軽減する」という計画の話を耳にしたことがありましたが、たしかにこの道路は負担が大きいことがわかります。
道路によって浸食谷がそこでストップしている場所もあり、この光景には違和感を覚えます。
また別件ですが、撮影に影響するところに話を戻すと、二ツ山の伐採もとても気になります。
2017年8月に富士ヶ嶺高原の県道沿いより撮影。
なんて痛々しい…。
この伐採後も、朝霧高原あたりからはけっこう目立つ山です。
おそらく富士山の小さな側火山かなという気がしますが、なぜこう標高が高く目立つ部分を伐採してしまうのかと…
この2017年8月の写真を見ると、ようやく苗木が植えられて緑化し始めているようですが…。
航空地図を見ているとわかりますが、富士山の周辺はゴルフ場や、林業のための伐採跡が無数にあります。
さらには北麓と東麓には大規模な演習場。
富士山周辺の自然は、全く守られていないという印象を受けます。
だから富士山は世界自然遺産ではなく、世界文化遺産なんです。
なんとか富士山を自然のままに、美しく保ちたいと願いますが、我々には何ができるのでしょうか…
人間のエゴによって美しい自然が次々破壊されていかないことを祈るばかりです。
ちなみに今回掲載した全ての写真はニコンD800Eで撮影されています。
レンズはほとんどが70-200のF2.8。
3600万画素の超高解像度に、最高のレンズをつけて撮るからこそ、見たくない部分までしっかり写し込んでしまうんですよね…。
本当に繊細な写真が撮れる素晴らしい機材です。
後継機や新バージョンも出ていますが、まだまだ十分な性能です。
(今回使用したソフトはCapture NX 2)
なんともナチュラルに消えましたが、こういうことをしてしまっていいのか、特に自分の作品として出すときは悩みます。
富士山写真家 オイでした。
ツイッターで砂防壁の変化についてつぶやいたところ、思ったより反響があったので、ブログにもまとめておきます。
1枚目が昨日。
— 富士山写真家 オイ (@fujitomo_oi) September 1, 2017
2枚目が去年の10月。
富士山の防砂壁の色が変わったよね?
光の加減ではないよな?
目立たなくなったけど、砂と同じくらいの色にできなかったものか#富士山 pic.twitter.com/bw50XdPnlh
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以前撮影したときに気になっていた砂防壁(正式な名前はわかりません)が、最新の撮影で色が変わっていたことに気づきました。
問題の砂防壁は、これです。
これがどこにあるかというと、この写真の中央やや左の部分。
けっこうな大きさがあるため、富士山をアップで撮影すとそれなりに目立ちます。
これを撮影したのが、2017年8月31日です。
撮影地は朝霧高原の国道沿いです。(撮影場所)
以前から気になっていた砂防壁だったんですが、以前の写真と比べてみると、色が変わっていることがわかったのです。
確かに、去年のほうがより目立っていた気がする…
その去年、10月に撮影した写真がこちら。
2016年10月9日に撮影したもので、撮影地は最新の写真と同じく朝霧高原の近い位置からです。
季節や光の状態が少し違うので、気のせいかな?とも思ったのですが、明らかにやはり色が違うと思います。
以前は白っぽかった。最新の写真では、明らかに黒っぽい。
結果的には少し目立たなくなって良いという感じです。
この砂防壁は、朝霧高原の北部や富士ヶ嶺高原から富士山を撮るとほとんど隠れることなくよく見える場所にあったので、以前から気になっていました。
結果的には景観に配慮して色が付けられたようで、少し安心しました。
もう少し、砂に近い色にしてくれればもっと目立たないのに、と思いつつ^^;
さらにその前の2016年8月にも既に気になっていたので、その時の写真も。
少し撮影場所が違うものの、やはりやや目立っていました。
そして、現在と少し形が違う?
日没後、さらに寄ってみるとそこにはユンボがありました!まさに工事中?
そういえば、以前に空撮したときにもこの砂防ダムが写り込んで、違和感を感じたことがありました。
2015年の12月になります。
よく見ると、このときはまださらに白っぽくて真新しい感じがします。
この頃に作られたのでしょうか。
ちなみにこの砂防壁は、富士山の5合目へ続く有料道路・富士スバルラインのもっとも南側に伸びているヘアピンカーブの直上に当たります。
西側には最大の浸食谷である大沢崩れをはじめ、浸食谷が多い印象です。
地図で見るとけっこうわかりやすいです。
これを見る限り明らかに、道路のほうに土砂が流れこないように、道路のないほうに土砂を流そうとしています。
そんなことしちゃっていいの…?と思ったりもしますが…道路を作るために仕方なかったんでしょうね。
この道路が通行料を2000円以上も取り続けているのは、こういうところにお金が掛かっているからなんだと思います。
常に整備費がか掛かっていると。
さらに4合目~5合目あたりまでは、いくつもの浸食谷を横切る作りになっており、なんだか恐ろしい道路にも思いますね。
崩れていこうとする自然の力に逆らって、横に道路を走らせる。かなり激しいことをしているな、と思ってしまいます。
日本中いろんなところでやっていることなんでしょうけど、富士山の美しい山体でやっていると、余計に目立ちます。
以前、「五合目までケーブルカーを通して負荷を軽減する」という計画の話を耳にしたことがありましたが、たしかにこの道路は負担が大きいことがわかります。
道路によって浸食谷がそこでストップしている場所もあり、この光景には違和感を覚えます。
また別件ですが、撮影に影響するところに話を戻すと、二ツ山の伐採もとても気になります。
2017年8月に富士ヶ嶺高原の県道沿いより撮影。
なんて痛々しい…。
この伐採後も、朝霧高原あたりからはけっこう目立つ山です。
おそらく富士山の小さな側火山かなという気がしますが、なぜこう標高が高く目立つ部分を伐採してしまうのかと…
この2017年8月の写真を見ると、ようやく苗木が植えられて緑化し始めているようですが…。
航空地図を見ているとわかりますが、富士山の周辺はゴルフ場や、林業のための伐採跡が無数にあります。
さらには北麓と東麓には大規模な演習場。
富士山周辺の自然は、全く守られていないという印象を受けます。
だから富士山は世界自然遺産ではなく、世界文化遺産なんです。
なんとか富士山を自然のままに、美しく保ちたいと願いますが、我々には何ができるのでしょうか…
人間のエゴによって美しい自然が次々破壊されていかないことを祈るばかりです。
機材紹介
ちなみに今回掲載した全ての写真はニコンD800Eで撮影されています。
レンズはほとんどが70-200のF2.8。
3600万画素の超高解像度に、最高のレンズをつけて撮るからこそ、見たくない部分までしっかり写し込んでしまうんですよね…。
本当に繊細な写真が撮れる素晴らしい機材です。
後継機や新バージョンも出ていますが、まだまだ十分な性能です。
ニコン 2009-11-27
ちなみに…
さらにちなみになんですが、もし”写真的に綺麗にしたい”と思うなら、データとしては砂防壁は簡単に消すことができます。(今回使用したソフトはCapture NX 2)
なんともナチュラルに消えましたが、こういうことをしてしまっていいのか、特に自分の作品として出すときは悩みます。
富士山写真家 オイでした。
Posted at 2017.09.01
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