マウントが歪むとピントが合わなくなる
富士山写真家 オイです。
この記事を書くに至るまでにはいろいろな”事件”があったのですが…
カメラの光学的なお話です。
で、何があったかと言いますと。
先月、初めての海外旅行にカメラを持っていったところ、移動中にバッグごと落下して故障。
普通に撮影できるときもあったのですが、シャッター時にミラーが上がりきらず黒く映り込むケースが見られました。
ニコンへ修理に出すと、ボディへのダメージが大きすぎるため「修理不可」で返されてしまったのです。
後日、仕方なく新しいカメラを買うことにしました。
買ったのは壊れたのと同じニコンD800E、マッ○カメラの中古を購入しました。
コンディションの良い物が手に入り、気分良く使っていたのですが、どうもピントがハッキリしない写真が多い…
レンズもダメージを受けていて修理したので、写りが変わったのかと思いました。
ところが使っていくうちに、「明らかにおかしい」という思いは強くなり、撮影画像を確認しているうちに、明らかにピントに不具合が出ていることを確信しました。
ここまでが一連の流れ。
では実際、どんな影響があるのか?をお見せします。
まず、サンプルとして使用した風景はこちら(山中湖です)。
本当は被写体までの距離が均一な山並みで、高さも同じくらいのほうがいいのですが。
厳密な検証としてはいまひとつな対象ですが、それでもハッキリと問題が出るくらいです。
この画像は画面の左端でピントを取っています。
そして画面の左右を拡大してみると、明らかにピンズレが発生していました。
これだけ見ていただいても、左右でかなり差が出ていることがわかると思います。
左右で被写体までの距離が同じではないですが、24mmの広角かつ最低でも1km以上は離れてるので無限遠とみなせるでしょう。
試しに逆の右側でもピント合わせをしてみました。
三脚固定で撮影し、ピント以外の設定などは変えていません。
こうして2枚を比べてみると、明らかにピント不一致によるボケということがわかりますね。
被写体の問題や、レンズの問題も考えられましたが、別の場所や、別のレンズでの検証でも同様の結果でした。
ただ、70mm程度の望遠になってくると、そこまで大きな影響は見られません。
やはり広角側が、シビアです。
また、画像では非常にわかりにくいのですが(撮り方が悪い)、マウントの歪みは目視で確認することができました。
銀色の金属部分ですが、片側だけ少し隙間があったのです。これはもう不良品確定。
購入時、マッ○カメラのサイトには「点検済」「安心してご使用いただける」と記載があったのですが、詐欺でしょうか?
センサーはゴミもほぼなく綺麗でしたし、「値段以上のものが手に入った」と好印象だっただけに、残念な結果に。
ニコン工場に精度点検を出すと、けっこうな料金も掛かりますし、中古の購入は気を付けたほうが良いです。
現在、不良を報告して返品などの手続き中です。
(※販売店が不良を認め、現在修理中…4週間も掛かるとのこと^^;)
【追記】 12月21日、修理から戻りました。修理代は販売店持ちですが、4万円ほど掛かり修理されて戻ってきました。
また、過去には自分でカメラやレンズにダメージを与えて、解像度やピントに不具合を出したことが多々あります。
ズームレンズは自重が重たい上に、多数のレンズ枚数から構成されておりわずかなショックで精度が狂ってしまいます。
衝撃には細心の注意を払いたいところです。
私の過去の作品にも、実は画質的に問題を抱えている作品がいくつもあります。
2018年カレンダーにも採用したこの一枚は、実はレンズにかなりのダメージを抱えたまま撮影しました。
(レンズは上記と同じ AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED)
まだフルサイズ機を買った当初、三脚のストーンバッグからレンズをアスファルトに落下。
ズームリングが回りづらくなるほどの大ダメージでした。
上記が等倍での比較画像なのですが、解像感が場所によりバラバラ。
富士山の左右でまるで解像度が変わっているのは完全に不良です(距離も同じだし画面内でも近い位置なので)。
樹氷も中央付近はよく解像していますが、右下のほうは画像の隅とはいえひどい乱れ方です。
大三元レンズでF9まで絞っているのでここまでの乱れは、許容範囲外でしょう。
この比較画像を見ると、ピックアップ箇所ごとに倍率が違うのでは?と思うほど。
実際はちゃんと同じ大きさで切り抜いています。
ちなみにこのまましばらく使い続けましたが、修理に出すと6万円以上掛かりました。
それでもこの写真は写真展でA1ノビサイズまで伸ばしてプリントしたり、A4サイズではありますがカレンダーにも印刷されています。
それほど良いシーンだったということも言えますが、見る人が不満がなければ良いのか?とも考えさせられます。
そもそも解像度はレンズの性能によっても左右されますし、どこまで綺麗に写れば良いかなど、人それぞれ。
見る人が気にならなければOKかもしれないし、自分が納得していなければダメかもしれません。
どこまで気にするかは難しいところですが、私の場合は、せめてそのカメラ・レンズの本来の性能は発揮してもらいたいと…
(扱いに問題があるのは事実なんですが、山に行ったり、そもそも撮影回数が多いので…)
過去に何度も修理に出し、「解像度不良」と言われてきたので、解像度にはかなり神経を尖らせてしまいます。
少しの衝撃でもレンズの性能が落ちてしまう。
一度、「これは解像度不良だ!」とレンズを点検に出したところ、異常なしで検査料金だけ取られて戻ってきたこともあります。
(検査・点検料金で1~2万円とかです。)
被写体によっても多少見え方は違いますし、公式なデータもないので正解がわからない。
このレンズは正常なのか?異常なのか?考えだすとノイローゼになってしまうのでした。。
そういうわけで、話が冒頭とはそれましたが、「中古品にはリスクもある」ということ、「カメラやレンズはかなり精密でシビア」ということを、お伝えしたかった。
WEBやSNSでは少々の画質が問題視されることはまずありませんが、プリントする人、コンテストに応募する人、写真を販売する人などは、注意したほうが良さそうです。
私はかなり拘りを持ってやっています。
富士山写真家 オイでした。
この記事を書くに至るまでにはいろいろな”事件”があったのですが…
カメラの光学的なお話です。
で、何があったかと言いますと。
先月、初めての海外旅行にカメラを持っていったところ、移動中にバッグごと落下して故障。
普通に撮影できるときもあったのですが、シャッター時にミラーが上がりきらず黒く映り込むケースが見られました。
ニコンへ修理に出すと、ボディへのダメージが大きすぎるため「修理不可」で返されてしまったのです。
後日、仕方なく新しいカメラを買うことにしました。
買ったのは壊れたのと同じニコンD800E、マッ○カメラの中古を購入しました。
コンディションの良い物が手に入り、気分良く使っていたのですが、どうもピントがハッキリしない写真が多い…
レンズもダメージを受けていて修理したので、写りが変わったのかと思いました。
ところが使っていくうちに、「明らかにおかしい」という思いは強くなり、撮影画像を確認しているうちに、明らかにピントに不具合が出ていることを確信しました。
ここまでが一連の流れ。
では実際、どんな影響があるのか?をお見せします。
まず、サンプルとして使用した風景はこちら(山中湖です)。
本当は被写体までの距離が均一な山並みで、高さも同じくらいのほうがいいのですが。
厳密な検証としてはいまひとつな対象ですが、それでもハッキリと問題が出るくらいです。
この画像は画面の左端でピントを取っています。
そして画面の左右を拡大してみると、明らかにピンズレが発生していました。
これだけ見ていただいても、左右でかなり差が出ていることがわかると思います。
左右で被写体までの距離が同じではないですが、24mmの広角かつ最低でも1km以上は離れてるので無限遠とみなせるでしょう。
試しに逆の右側でもピント合わせをしてみました。
三脚固定で撮影し、ピント以外の設定などは変えていません。
こうして2枚を比べてみると、明らかにピント不一致によるボケということがわかりますね。
被写体の問題や、レンズの問題も考えられましたが、別の場所や、別のレンズでの検証でも同様の結果でした。
ただ、70mm程度の望遠になってくると、そこまで大きな影響は見られません。
やはり広角側が、シビアです。
また、画像では非常にわかりにくいのですが(撮り方が悪い)、マウントの歪みは目視で確認することができました。
銀色の金属部分ですが、片側だけ少し隙間があったのです。これはもう不良品確定。
購入時、マッ○カメラのサイトには「点検済」「安心してご使用いただける」と記載があったのですが、詐欺でしょうか?
センサーはゴミもほぼなく綺麗でしたし、「値段以上のものが手に入った」と好印象だっただけに、残念な結果に。
ニコン工場に精度点検を出すと、けっこうな料金も掛かりますし、中古の購入は気を付けたほうが良いです。
現在、不良を報告して返品などの手続き中です。
(※販売店が不良を認め、現在修理中…4週間も掛かるとのこと^^;)
【追記】 12月21日、修理から戻りました。修理代は販売店持ちですが、4万円ほど掛かり修理されて戻ってきました。
また、過去には自分でカメラやレンズにダメージを与えて、解像度やピントに不具合を出したことが多々あります。
ズームレンズは自重が重たい上に、多数のレンズ枚数から構成されておりわずかなショックで精度が狂ってしまいます。
衝撃には細心の注意を払いたいところです。
私の過去の作品にも、実は画質的に問題を抱えている作品がいくつもあります。
2018年カレンダーにも採用したこの一枚は、実はレンズにかなりのダメージを抱えたまま撮影しました。
(レンズは上記と同じ AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED)
まだフルサイズ機を買った当初、三脚のストーンバッグからレンズをアスファルトに落下。
ズームリングが回りづらくなるほどの大ダメージでした。
上記が等倍での比較画像なのですが、解像感が場所によりバラバラ。
富士山の左右でまるで解像度が変わっているのは完全に不良です(距離も同じだし画面内でも近い位置なので)。
樹氷も中央付近はよく解像していますが、右下のほうは画像の隅とはいえひどい乱れ方です。
大三元レンズでF9まで絞っているのでここまでの乱れは、許容範囲外でしょう。
この比較画像を見ると、ピックアップ箇所ごとに倍率が違うのでは?と思うほど。
実際はちゃんと同じ大きさで切り抜いています。
ちなみにこのまましばらく使い続けましたが、修理に出すと6万円以上掛かりました。
それでもこの写真は写真展でA1ノビサイズまで伸ばしてプリントしたり、A4サイズではありますがカレンダーにも印刷されています。
それほど良いシーンだったということも言えますが、見る人が不満がなければ良いのか?とも考えさせられます。
そもそも解像度はレンズの性能によっても左右されますし、どこまで綺麗に写れば良いかなど、人それぞれ。
見る人が気にならなければOKかもしれないし、自分が納得していなければダメかもしれません。
どこまで気にするかは難しいところですが、私の場合は、せめてそのカメラ・レンズの本来の性能は発揮してもらいたいと…
(扱いに問題があるのは事実なんですが、山に行ったり、そもそも撮影回数が多いので…)
過去に何度も修理に出し、「解像度不良」と言われてきたので、解像度にはかなり神経を尖らせてしまいます。
少しの衝撃でもレンズの性能が落ちてしまう。
一度、「これは解像度不良だ!」とレンズを点検に出したところ、異常なしで検査料金だけ取られて戻ってきたこともあります。
(検査・点検料金で1~2万円とかです。)
被写体によっても多少見え方は違いますし、公式なデータもないので正解がわからない。
このレンズは正常なのか?異常なのか?考えだすとノイローゼになってしまうのでした。。
そういうわけで、話が冒頭とはそれましたが、「中古品にはリスクもある」ということ、「カメラやレンズはかなり精密でシビア」ということを、お伝えしたかった。
WEBやSNSでは少々の画質が問題視されることはまずありませんが、プリントする人、コンテストに応募する人、写真を販売する人などは、注意したほうが良さそうです。
私はかなり拘りを持ってやっています。
富士山写真家 オイでした。
Posted at 2017.11.27
Updated at 2017.12.31
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