美瑛町「哲学の木」伐採 富士山写真家として思うこと…
今日、Twitterを見ていたら、北海道の写真スポットである「哲学の木」が伐採され、
撮影ポイントが消滅してしまったという話を目にしました。
調べてみるとヤフーニュースにもしっかりと掲載されていました。
【「哲学の木」は、なぜ倒れたのか 理由を知る写真家が語った悲しい現実】
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6192528
私は北海道には中学生の頃に1度しか行ったことがないし、美瑛町を訪れたこともありません。
しかし、「哲学の木」は写真家にも人気で、名前だけは知っているポイントでした。
私も日頃から撮影ポイントを周り、写真を撮り続けている人間として、
昨今のカメラ人気とマナー、環境問題については良く考えさせられます。
そこで私の考えをTwitterで述べましたので、ここにまとめておきたいと思います。
北海道の有名な写真ポイントが破壊された話。いくらマナーに注意を呼びかけても、人が多くなればその中に一定数のマナー悪い人が必ず出る。だから、”撮影ポイント”として整備されていない場所については、「ここで撮りました」と言わないほうが良い。https://t.co/xL141p9KCO
— 富士山写真家 オイ (@fujitomo_oi) February 25, 2016
@fujitomo_oi 誰か一人が撮影場所を明かすと、それを見た誰かが行き、ブログに書き、それを見た人が…と連鎖的にいつしか広まっていく。その場所に人気に火が付くポテンシャルがあるかどうか判断は難しいので、分からないならポイントは公表しない方が良い。
— 富士山写真家 オイ (@fujitomo_oi) February 25, 2016
@fujitomo_oi 撮影した場所をブログなどで公表することは、最初は誰でも悪意があってやることではない。だけど、結果的に何年後かに「そのポイントではもう撮れなくなった」という結末が待っている可能性もあるということを、頭に入れておいて欲しい。
— 富士山写真家 オイ (@fujitomo_oi) February 25, 2016
@fujitomo_oi 「秘密のポイントを人には教えたくない」というエゴ的な気持ちももちろんあるけれど、撮影環境を守る・トラブルの種を撒かない、という守りの意識は、カメラマンの皆さんには持って欲しいところ。守りと攻め、拡散と閉鎖、どちらも必要でそのバランスはとても難しい。
— 富士山写真家 オイ (@fujitomo_oi) February 25, 2016
@ryota333 「写真そのものを発表しない」っていうのは究極で、それを選択できるカメラマンは大人。環境が変わってから発表するとかね。私も、「簡単にアクセスできる」かつ「良いロケーション」かつ「あまり知られていない」ところは、発表しないか、あまり主張しないように工夫してる。
— 富士山写真家 オイ (@fujitomo_oi) February 25, 2016
なんかマナーの問題から情報拡散の問題にすり替えちゃったけど…
— 富士山写真家 オイ (@fujitomo_oi) February 25, 2016
そもそも人が来なければトラブルは起こらないというのも、事実(^_^;)
結論から言うと、「マナー良く撮影しよう」というのは素晴らしい動きだと思うのですが、
そもそもいくら全員がマナーが良かったとしても、人がたくさん訪れるからには、必ずその土地に負荷がかかります。
根本的には、「人が集まらないようにするのが、本当は一番優しい」と思うのです。
整備されていない土地では駐車スペースも少ないor無かったりしますし、
人が集まればベストポジションを巡って争いが起きてもおかしくありません。
昔はこういった問題が起こりづらかったのは、インターネットがなかったからです。
インターネットが登場し、SNSが普及し、そしてカメラの性能が向上して誰でも綺麗な写真が撮れる時代になりました。
「ここは良いスポットだ!」と一度誰かが言い始めると、一瞬にして世界中に情報が拡散して、
そのスポットに多数の人が押し寄せる自体が起こり得ます。
様々な理由から、そうならない場所もあるでしょうが、そうなる場所もあります。
あなたの「絶景ポイントを見つけました」の一言で、最終的にそのポイントを破壊してしまう可能性は、ゼロではないということです。
もちろん、綺麗な写真を共有したり、撮影のエピソードを話したりしたくなるのは、人間として当然のことです。
しかしインターネット・SNSの時代では、それが命取りになって状況が悪い方向に向かうことも・・・
発信することは自由であるので、誰も「ダメ」とは言うことはできませんが、
情報を発信することのリスクがあることを、全てのカメラマンは少しは頭に入れておいて欲しいというのが、私の願いです。
自然は、静かなのが一番自然らしいじゃないですか。