初めての「皆既月食」の撮影は、富士山と共演させることに成功しました。
日本で約3年ぶりの皆既月食は、「スーパー・ブルー・ブラッド・ムーン」とか呼ばれて盛り上がりを見せました。
当初、天気予報が曇りであまり期待できなかったことや、月と富士山との距離が遠いことから撮影はパスしようとも思っていましたが、直前になって晴れる可能性も見えたため、念のため出動しました。
厚い雲が出ればアウトですが、薄曇りなら十分に月が観測できる可能性があるからです。
写真撮影も「食わず嫌い」は良くないもので、いざ撮影してみないとわからないこと、見えないこと、経験しないと次のステップに進めないことが、往々にしてあるものです。
そういうわけで、まずは失敗でもいいので一度は撮ってみよう、という気持ちでした。
結果としては、かなり「楽しかった」という印象。
また、天体ショーの神秘的な瞬間を味わうことができ、感動しました。
食の序盤・終盤は雲が多かったものの、皆既食のタイミングではほとんど雲が出ず非常に良く見えていました。
予報ハズレの「奇跡的な晴れ間」と言う人も。
皆既食となると、日食と同じように空が暗くなるため、星々も見えてきます。
完全に月が欠けてしまうまでは太陽の反射光が強いのですが、月が太陽の影に完全に隠れると、赤くぼんやりと浮かぶ月がしっかりと見られました。
事前のシミュレーションに基づき、焦点距離は16mm程度の縦構図でセットし、タイムラプスも作れるよう、インターバルタイマーにて連続撮影を行いました。
一方で、もう一台のカメラには150-600mmのズームレンズを装着して、月の表面をめいっぱい大きく撮影。
一度の撮影で、ここまで両極端な2本のレンズを使ったのは初めてのことでした。
月だけの写真は多くの人が撮影しているので、私としてはやはり富士山と絡めた一枚を、作品として残したいと思います。
月と富士山が離れておりまとまりが出ないとも予想していましたが、案外これくらいの距離ではなんとか1枚の写真として楽しむこともできそうです。
なんの説明もなければ大きなインパクトのある写真ではないのですが、やはり多くの人が興味を持った天文現象ということで、反響をいただくこともできました。
タイムラプスは本職ではありませんが、YouTubeにアップロードしましたので、興味がある方は御覧ください。
https://youtu.be/hBv43zI3f7U
アップロード日: 2018年2月1日