久しぶりの写真投稿は、山中湖より望む2017年、ふたご座流星群からの作品。

この一枚は、13日23時12分~14日3時01分までに流れた流星の写真13枚を合成して作成。
ワンショットあたりで捕捉できたのは多くて2個でした。

Exifデータは背景の星空に使用した一枚のもので、他の12枚の画像も撮影時刻以外は同設定となります。


今回、ふたご座流星群がピークを迎えると、SNS等を中心に話題が飛び交っていました。

流星の撮影というのは、ただ「カメラを回しっぱなしにしてひたすら待つ」という作業となり、上手く撮れるかどうかも運次第。

年により流れる量も違い、とにかくやってみなければ成果がわからない撮影です。

そういった事情もあり当初は全く乗り気でなかったものの、せっかく快晴が期待できる天気で、月の影響も少ないというチャンスに、撮影を試みることにしました。

せっかく富士山麓に引っ越したということもありますし。
この山中湖までは車で20分そこらで到着します。

流星を狙うなら、さらに街明かりの影響が少ない富士山の西麓から狙うカメラマンも多いですが、今回は多くの人がそちらへ行くとみて、自分は逆を選びました。

それが結果オーライとなり、降り注ぐ多くの流星をゲットできたのでした。

そもそも、撮影には出たものの、どのように撮影して、どのように仕上げるかまでは、全く考えていませんでした。

そもそも星空の撮影もあまりしないし、このような連続撮影は本当に久しぶりです。
カメラの設定もどうだったっけ?なんて戸惑いながら、タイマーをセットしたら、疲れていたので車で寝てしまいました(盗まれないか不安になりながら)。

マイナス5℃にもなる湖畔で4~5時間寝て、それからは流星を眺めながら撮影継続していました。

空からは頻繁に流星が落ちてきます。
「ああ、流星群が本当に来ているんだなぁ」と、ようやく実感しました。

”富士山とその近くに一本の筋が入っただけの写真”を撮ることにあまりやる気が出なかったのですが、星空を眺めているうち、トキメキが蘇ってきました。

2時半に月が昇ってくるともう撮影は終わりかなと思っていたのですが、案外月が細くて影響が出ず、その後も撮影可能でした。

撮影データを見返してみると、比較的大きな流星も撮れているし、さすがに6時間以上も湖畔で撮影を続けて退屈になってきました。

しかしもう少し粘って、ソフトフィルタを使って撮影してみたり、画角や構図を変えながらさらに撮影を続けました。

流星群というのは本当に運要素が強いですから、あまり気持ちに左右されず、「何時から何時まで撮る」と決め込んで、あとは割り切って待つほうが賢いかもしれませんね。

それで撮れたら撮れた、撮れなかったら撮れなかったというだけです。

結局、終わり時間を決めていなかった私は、朝まで粘るか迷った結果、オリオン座が富士山の上を通過したところで区切りとし、帰宅しました。

最初は、ワンショットで2つの流星が写った写真を見て「なかなかいいのが撮れた」と満足しましたが、そこでふと欲が出て「全部の流星を合わせよう」とひらめきました。

むしろ、なぜここでひらめいたのか、このやり方に気付くのが遅かったと思います。

確かに、身近ではそのように複数の流星を合成している人はおらず、発想がなかったです。
比較明合成による星の軌跡と合わせて流星を表現する方法はやったことがありましたが、飛行機も入ってしまうし星の軌跡に対して流星のインパクトが薄くなります。

というわけで、背景の空を1枚に、流星の部分だけを重ねていくことにしました。

最近、SNS上でもフォトショップを使った合成写真などが盛り上がりを見せており、画像はいじり倒すのがある意味でスタンダードになってきています。

その流れを自分にも取り入れようと最近少しだけ勉強したので、流星の合成は案外簡単にできました。

知っている人にとっては何の面白みもない、レイヤーとマスクを使うわけですが、もしやり方を知りたい方がいましたら、教えます。

そうして出来上がったこの画像は、やはりワンショットのものより、圧倒的にインパクトがあり、かつ「そこに確かに流れた流星」ということでリアリティもそれなりにあります。

編集や合成に関しては、ものにより「リアルの度合い」が段階的にあって、どこまでが許せてどこまでが許せないかは人それぞれであるし、自分でも迷うし、常に考えも変わっていくところです。

完全に別の話となるので、別の機会にでも書きたいと思いますが。

完全に嘘でもいいなら、もっと流星をコピーして貼り付けて増やすこともできるし、全く別のところから持ってきた流星の写真を貼り付けたって、いいんです。
それで見る人が「綺麗」と言って喜んでくれるなら、それもある意味正義だと思いますが。

そういったことにも今後チャレンジしたいとは思っています。
現実を無視して、写真としての見応えだけを追求したらどこにたどり着くのか?という挑戦ですね。

ただ今回は、この日の流星群の記録といことで、この程度の合成がいったん限度でしょう。

そういうわけで、いつもとは違う撮影技法や、仕上げの方法について、いろいろと思うことがありました。

ちなみに今回の作品は、仕上げのスピードを重視するため、撮って出しのJPEGから合成画像を作り、Lightroomで色調補正やトリミングを施して仕上げています。

改めてRAWからも丁寧に作ってみたいと思っています。
ただ初めての合成作品にしては、我ながら上手くできたと思っていて、合成の境目なんかも拡大してもほぼ違和感はないはずです。

Photoshopをやってみて、今後のデジタル写真は可能性があるなぁ、と改めて思ったのでした。

リアルを追求するため、イメージ通りに仕上げるため、見栄えを整えるため、人を驚かせるため、いろいろな理由があると思いますが、その用途に応じてツールを使いこなせるようになりたいですね。

そしてこの一枚はやはり話題性とインパクトが共存しており、また早めに撮影を切り上げて朝7時にはこの画像を出せたことが幸いして、Twitterで多くの反響をいただきました。

7月に撮影した虹の写真を超え、自己最高の4000いいねを獲得し、多くの人に届いたことを喜びました。
https://twitter.com/fujitomo_photo/status/941066526421110785

世の中は数字じゃないとは思うのですが、やっぱり数字が伸びると嬉しいのが人間の性ですね。

たくさんの反響、ありがとうございました。

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アップロード日: 2017年12月15日

自己評価: ★★★★☆

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