富士山は、表情のある山である。
しかも、驚くほど豊かな表情を持っている。
それが富士山の最大の魅力―。
日本人なら知らない人はいないという、圧倒的知名度を誇る富士山。
それも凄いことだと思うのですが…。
それ故、富士山の形を知らない人はいないし、誰もが見慣れているのかもしれません。
それでももう一度じっくりと見て欲しい、この造形、凹凸、陰影、雪の描く模様。
人間も、イルミネーションにしろプロジェクションマッピングにしろ、美しいアートを作ろうとしますが。
やはり「自然」の美しさ、作為的でなくそれが出来上がるといことへの感動みたいなものがあると思うのです。
自然って不思議だなぁ、美しいなぁ、と思うわけです。
その美しさや神秘を伴ったこの山が、とてつもなく巨大であるということが、私の中では非常に重要なポイントになっています。
こんなに美しくて巨大なもの、そうはないと思うんです。しかも身近に。
それが富士山の魅力なんじゃないでしょうか。
さてこの一枚は、鳴沢村より、太陽の反射光を狙ったカットでした。
富士山に降った雪が一度溶けると、雪が氷へと変わり、太陽光を反射するようになります。
なので寒すぎるとこのような反射は見られません。
このような富士山を撮るとき、どこをどのように切り抜くかは最大のキーポイントになるでしょう。
今回、画面上部ギリギリまで山頂を配し、下は森林限界を目一杯。
空いた空間にちょうど雲が湧いて隙間を埋めるように。
4:3の画角でクロップすると、非常に収まりの良い構図となりました。
簡単なようで難しい、「決まった」と思える一枚に。
写真の構図はおもったよりもシビアで、わずか数パーセントの勝負になることもあるのでしょうね。
アップロード日: 2018年1月26日