4/9 期待の春雪で三つ峠へ

待ってました!4月の雪。
4月に入り、今年はもう雪も降りそうもないし、スタッドレスタイヤもそろそろノーマルタイヤに戻そうかなぁ~…
と思っていた矢先!急激な寒気が入り東京でも雪が観測されるほどの寒さに。

もちろん、山梨ではガッツリ降りました。

3月4月の雪はずっと狙っていたのでようやくのチャンス到来。
しいて言えば、河口湖あたりでは雨で、ちょっと標高を上げれば雪、というくらいが良いのですが。
河口湖でもそれなりに降り、後になってみぞれに変わったような様子でした。

今回は月もそれなりの大きさがあり、夜から撮影が楽しめそう。
早めから撮影したいところですが、あとは富士山が出てくるタイミング次第です。

行き先は迷いなく三つ峠、しかも異例の早さで19時くらいに家を出ます。
あの大山行男師匠の写真に少しでも近づくことができるか!?気合が入ります。

ただし、先日フィルムカメラ(67II)を壊してしまったので修理中。
今日はデジタル一本となります。


明神峠~三国峠を通過すると、久々に見る雪にワクワク。
気温も氷点下となり、一気に季節が逆戻り…冬を思い出します。

標高が違うので程度なので参考程度ですが、パノラマ台付近で着雪チェック。微妙です。
雪が落ちているところは落ちているようです。
そして富士山が全然見えてこない。
ライブカメラをチェックしても完全に雲の中。
風向きが南東だったり北東だったりするので、今日は撃沈覚悟でもありますが…

樹氷と雲海のチャンスがあるのだから、迷いはありません。ダメ元でも行く。

とは言いつつ、富士吉田に入ってもまだ雪や雨が降ってる!
さすがに雨の中を登るのはなぁ…

ただし、富士吉田市内に入るとそこらへんの木にもしっかり着雪しています。
いい感じ。
富士吉田市の樹氷

出撃前の腹ごしらえをしながら、タイミングを見計らいます。
富士山山頂の湿度を注意深くチェックしますが、時間とともに少しずつ湿度低下。
たぶん、朝には出てくると思うんだけどなぁ…確信が持てない。


とにもかくにも、これから三つ峠に登ることは間違いないので、登山口に近づいていきます。
のんびりしていたので、時間は早くも23時前。
御坂峠の旧道に入ると見事に真っ白な木々が迎えてくれ、これは期待が高まります。
御坂峠の樹氷

さらに御坂峠へまで上がってみますが、相変わらず曇っていてどうしようもない。
すっかり月が出ている時間のはずですが、雲が暑いため月を確認できず。

その頃、七面山ライブカメラでは、一面が霧だったものの、月明かりにより雲が白んだり、手すりが見えたり。
ということは、徐々に晴れてきた!七面山はもうすぐ雲が切れるということ。
わずかな変化も見逃しませんよ。

上に行ってどうなるかはまだわからないけど、行くしかない。

久々の冬山装備ということで、冬靴にロングスパッツ。
凍っている様子はないのでアイゼン装着なし(持ってはいきます)。
雪道は上下ゴアテックスが安心。
これくらいの山なら手元は軍手で十分。上についたらフリースのグローブに。

水分1Lにおにぎりとパンで5個くらい。
十分寒いので防寒着はしっかりと多め。
カメラはデジタル一台のみ、レンズは最近不調なので、知人に借りている予備も含めて一応4本。
三脚は高さが稼げる大型のアルミをチョイス(結果、使い道がなかったけど)。


日付が変わった0時2分、4月とは思えない、寒くて真っ白な登山道を出発します。
三つ峠登山口にて

思ったより雪が多いです。深いところで10センチほども積もってる!降りすぎでしょうこれ。4月よ!?
三つ峠登山道の降雪

先日、三つ峠には直登できるルートがあると知ったのですが、あまり踏まれていないような獣道で、
この雪ではかなり不安があったため、いつものジープが通る道を行きます。今日は山荘ジープの轍なし。
先行者は1名で、彼のトレースを辿ります。

登山道の霧氷がすごくボリュームがあり、しかも綺麗だったのでついつい撮影。
霧氷
なんだこのトゲトゲは!高い湿度といい具合の冷え込みなんでしょうね。
これは素晴らしい。

ビッシリですよ。これは期待が高まる。多少の風が吹いても着雪が落ちたとしても、霧氷が再構築されそうです。
三つ峠登山道の霧氷

肝心の着雪もいい感じ。ベタッとしていて木にこびりついています。春の雪はこれが良いのです。
三つ峠登山道の降雪


ところが、標高を上げると状況が一変。
ちょうどクネクネ道が終わって直線的になるあたりから、足元の雪質がフワフワからザクザクに変わりました。
そして周囲の木には雪がない!マジっすか!?

急に落胆しながら、三つ峠山荘前に到着~。
三つ峠山荘前に到着
1:15です。遅い。遅すぎるタイム。
1時間10分以上掛かってしまいました。

そして、樹氷はどうした?全くないです。白くないです。参ったなぁ…
降雪

残念ながらこの時点で、「一面の雪景色!」の可能性はなくなってしまいました。
早くも夢が潰える。

そして、富士山も見えません。
現在1時過ぎ。日の出まで4時間。
気温、マイナス5℃。
天気、霧。

暇だ…

天気予報では朝まで「曇り」でしたが、雲海だと読んでいました。
まさかこの時間までしっかり曇っているとは…

しかも、あるはずの月も見えない。
まだまだ雲は分厚いようだ…

待つしかないです。

しかもちょっと風があり厄介。
三つ峠山荘の建物の影に入り、風を避けます。

ライブカメラチェック。まだどこからも富士山は見えない。暇。
寒いし。

しかも霧か小雨かわからないような水分で少し濡れます。
湿度は相当高い。
だけど霧氷にはなってくれないのね…(T_T)

下の方はあんなに素晴らしい白さだったのに。上は全然ダメって。
4月なのに。春の雪ならいけるって信じてたのに。
なんだかなぁ…って感じです。

さて、一向に晴れてこないし、あまりにも暇だし、じっとしてると寒いので、ちょっと動いてみることに。

いつかロケハンしようと思っていたポイントへ行ってみることに。
まさか真夜中にロケハンするとは思っていませんでした。

ちょっと不安だったけど、話に聞いていたところへ足を伸ばしてみた。

発見^^♪3:07。
三つ峠の木
なんのこっちゃっていう写真ですね(笑)
「この木」、見る人が見ればわかるでしょう。

無事に暇つぶしのロケハンも終えますが、まだまだ富士山現れず。

長丁場になるので多めに持ってきたおにぎりを食べつつ、時間を過ごします。
ついにあまりにも暇すぎて、寝ました(笑)
雪の上にマットを敷いて、仰向け。顔には雨粒が…
疲れていたようで、意外と意識が飛びました。マイナス5℃ですが。
寝ていたのはちょっとだけ。

また起き上がってとにかく朝を待っていると、ぼんやりと月が見えるようになりました。
確実に頭上の雲が薄くなってきている!

月明かりがぼんやりとなんとか見える。
その時間も徐々に長くなってくる。

これは、確実に晴れてくる兆候である!ダメかもしれないけど期待しましょう。

でも、これだけ雲が高いということは少しでも標高が高いほうが有利になるはずで。
三つ峠山荘前での撮影も考えていたけど、前景に樹氷はないし、
しかも先客に加えて山荘の主人が出てきて三脚を置いてしまいました。場所ないやん。

ということで上へ。
今回は夜に入ったことのないザレの斜面で構えることとしました。

崖っぷちの岩の上に腰掛けて、ぼんやりとある月を見上げる。雲が薄くなっているようで、あたりもだいぶ明るく感じられるようになりました。
何も見えない氷点下の霧の中、月明かりだけが本当に暖かく語りかけてくれました。
こんなにも月と対話したのは初めてだなあ。

崖登りなんかしちゃって山頂方面散策。
風が吹き抜けたところに霧氷も確認されましたが、一面がこうとはいかないようです。
三つ峠山頂の霧氷

朧月と山頂の石碑で記念撮影。地味にカッコイイ。
三つ峠の石碑


いよいよ登山開始から4時間が経過。ひたすら霧の中。
ついに空が青くなってきましたが、富士山は見えぬまま…
だけど、月がハッキリしてきた。もうすぐ晴れる気がする…!
夜明けの月


そして…

ありがとーーーー(T_T)
ようやく会えたじゃないか富士山。
しかも大雲海。

こんなに孤独な待機時間は久々でしたよ。
どうやら今日は撮らせてくれるようです。

見上げると、息を切らして山頂へ上がってきたカメラマンが一人いました。

時を同じくして七面山からもようやく顔を見せた富士山でした。雲海が高い。

さて、富士山と月。
5:09 ブルーアワーに幻想的な姿でした。
三つ峠の月と富士山

5:12 雲は徐々に下がってきます。三つ峠の稜線が見えてきた。
三つ峠の雲海と富士山

5:14 やっぱり樹氷/霧氷はイマイチですね。下の方は雪がついてるけど、肝心なところは黒いです。
これはもう、雲海にテーマを変えて撮るしかない。
三つ峠の雲海と富士山

5:24 弱いながらも紅富士に染まる。肉眼ではとても美しい紅色の輝きでしたが、写真ではよく見えない。
三つ峠の雲海と紅富士

5:26 朝焼けも少し入りましたが、オマケ程度ですね。
三つ峠の雲海と富士山

5:33 手前にも雲海が入ってきて良い感じ。ここからは雲海の動きに着目して、いろいろ構図を試したりします。
三つ峠の雲海と富士山
そういえば大山行男さんの「あの写真」では雲と空の境界がやけにハッキリしているのが実に素晴らしいですね。
今日のような雲海だと霧のようにぼんやりしていて、あのような写真にはならないなぁ…
改めて大山師匠の作品の素晴らしさには感嘆。


日が昇ってからは、さてどうしようという感じ。

樹氷が期待ハズレだったせいか、あまり興奮せず淡々とした撮影。
雲海はこの上ない素晴らしさなんだけど、期待が大きすぎた?

雲海の高さが絶妙で、こちらも素晴らしい光景。甲府盆地方面です。
雲海に浮かぶ黒岳
ヒョコヒョコと頭を出している山の中で一番高いのが黒岳でしょう。

最近はどうもレンズが解像度不良を起こしているようで、心配なので単焦点レンズも持参して描写の違いをチェックしたりしてました。
本来の撮影に集中できてませんね(笑)
三つ峠の雲海と富士山
雲間から光が射すとまた素晴らしい光景。

5:53 雲海がちょっと増えて手前にも入り込んできたところ。素晴らしい!
三つ峠の雲海と富士山

見ると、三つ峠山荘前あたりでも雲海には呑まれていないので、今日はどこから撮ってもOKでしたね。
そういう場合は、より雲海に近い下のポイントから撮るほうが迫力が出たかもしれません。

このように、同じ山でもポイントが点在する場合は非常にポイント選びに迷ってしまいノイローゼになりそうです。
少し場所を変えたりしましたが、もっと早い段階で下に下りていれば良かったと後悔したのは、文字通り後になっての事…

6:05 雲海の上に太陽。
三つ峠からの雲海と太陽

6:19 日も昇ってくると青空も綺麗で、上空の雲も清々しい。
三つ峠の雲海と富士山
本当に素晴らしい雲海と富士山ですが、改めて「この稜線が真っ白だったら」と悔やみたくなります。
惜しいなぁ、あまりにも惜しい。

ほら、ちょっと下のほうは結構雪で白くなってるんですよ。
三つ峠の樹氷と雲海
惜しいなぁ…(しつこい)

6:41 見ると、富士山の中腹にヒョロヒョロと変な雲が出てきました。そろそろ終わりの合図?
三つ峠の雲海と富士山

三つ峠の山体に入り込む雲海を捉えるも、やはり大山師匠の写真とは違う。実に難しい。
三つ峠の雲海と富士山

ブロッケン現象も見られました。半分影だけど。
雲海とブロッケン現象

うねる雲海と太陽。やはり逆光方面は画になりますね。
三つ峠の雲海と太陽

再び山頂に遊びに行って、知人がやっていた構図を真似してみる。
三つ峠の霧氷と富士山
よく見ると奥の木にピンクのテープが巻いてあり、台無しである。なんてこった…


すると、山頂に遊びにきているニホンカモシカを発見!
三つ峠ではよくお会いしますね。
三つ峠のニホンカモシカ

近づいてもまったく逃げません。
三つ峠のニホンカモシカ

限界にチャレンジ(笑)
三つ峠のニホンカモシカ

カモシカより下のアングルに入り込み撮影。なかなかの迫力でしょう!
三つ峠のニホンカモシカ

さらにウロウロするカモシカは、石碑の前を通りすぎて下山していきました…
三つ峠のニホンカモシカ

あー、カモシカさんとの楽しいひとときでした。

そうこうしているうちに富士山はぼんやりしてきた!
ガスってきた富士山

これはもう撮影終了だな、ということで下山します。

お決まりの下のポイントに入りましたが、やはり富士山は雲隠れ。
三つ峠の雲海と富士山

いや、でも…この構図良くないか?
入り込む雲海と山の立体感、アングルが低い分、樹氷も良く見えるし。

これは失敗した…最初からここにいれば。もっと良い写真が撮れたはず。
やってしまった。
時既に遅し。もう目の前にガスが立ち込めて富士山はほとんど見えません。

ゲームオーバー。

失敗です…ポイント選びミス!
下から迫る雲海が怖くてついつい上に上がってしまいました。
下が良かったー。

そしてカモシカに時間を取られすぎました(笑)
楽しかったけど。

そんなところで富士山が見えなくなり、完全終了。

最後に三ツ峠山荘前へ戻り記念撮影。
三ツ峠山荘前の風景
やはり着雪状態が非常に悪く、この前景はイマイチだったでしょう。

このとき既に8:21。登山開始から8時間半ですよ。良く頑張ったなと…
ようやく下山の時を迎えます。久々の長丁場でした。

道中の樹氷はやはり素晴らしく、「なぜ上もこうじゃなかったんだ」と残念な気持ちでいっぱいでした。
三つ峠の樹氷

こんなに雪が乗ってるのに。
三つ峠の樹氷

下に下がるほど湿度も高く、霧氷がトゲトゲと摩訶不思議な造形を作り出していました。
霧氷


下山は、直登ルートを使いました。フワフワの雪でとても楽しい下山♪
雪の登山道
トレースなしでしたが、何度か通ったことがあるので迷うことはなく。
それにしても4月とは思えないガッツリの雪です……

深いね。
深い雪


下山は40分でまずまず。
そして車道に戻りましたが、実に見事な樹氷の森。
三つ峠への道

マジかよ…って感じですね。中腹はこんなに綺麗な樹氷ですよ。
樹氷の森
真っ白な美しさに目を奪われます。

どう見てもパーフェクト。なぜ上はイマイチだった?最後まで納得いかず(笑)
樹氷の森

綺麗なのでたくさん撮っちゃいました。スマホで。
樹氷の森

富士見橋まで標高を下げると、さすがに雪は少なくなった様子。でも三つ峠山頂よりは良いですね。
御坂峠富士見橋の樹氷


ということで、期待の春の雪はどうも納得のいかない、不完全燃焼に終わりました。
完璧な樹氷を期待するも、上部ではイマイチ。

確かに風はやや強そうな予報でしたが、実際の体感ではさほど風も感じませんでしたし、
中腹までは見事に真っ白な樹氷の森でした。

「風で落ちた」こともあるでしょうが、どちらかと言えば湿度や気温などの条件の違いでしょう。
一言で言えば「寒すぎた」のかもしれません。

上に行くほど気温が下がりますから、そのせいで着雪がイマイチになってしまったのかもしれません。
実際、下のほうが湿度を感じましたので。

4月なので樹氷は間違いないと思っていたのに、まさかでした。
東京で雪が降るほどの寒気は、ちょっとやりすぎだったのかもしれません。
最後まで、ただただ「惜しい」という感想です。

一面の銀世界はまた来年のお楽しみかな!

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