田貫湖から、秋の朝焼けです。
もう何度この場所から朝焼けを狙ったことか…。
圧倒的な条件が揃わないと、なかなか過去を超えてくる作品は撮れないので、撮影を重ねるごとに非常に難しくなってきます。
この日は夜中から雲があり、うまく焼ければ迫力が出ると思いましたが、結果は不発。
右側の南の空だけの朝焼けとなりました。
それでも読みは悪くなく、綺麗な色づきでした。
朝焼けや夕焼けを狙うときは順光側か逆光側か非常に悩みます。
個人的には、富士山雪がないときは順光の方が好きなので迷いましたが、諸々の都合を総合的に考えてこの日は田貫湖になりました。
(結果的には順光側の赤富士がけっこう良かった朝です。)
さて「諸々の都合」のひとつに入っていたのが、新しく導入したレンズのテストです。
FUJIFILMさんにGFX100をお借りしたことをキッカケにすっかりFUJIFILMユーザーとなり、現在はGFX100Sをメイン機にしています。
魅力は語り尽くせないほどあるのですが、純正のGFレンズの性能が感動的に素晴らしいですね。
先日2022年9月29日に発売となった「GF20-35mmF4 R WR」は、カメラ人生の中で初めて、発売日に購入しました。
まだまだ進化の過程にあるGFXシリーズの中で、最重要なレンズのひとつとなり、開発発表があってからずっと心待ちにしていました。
発表時の価格が40万円と出たので、ある意味で「性能には妥協してないのだな」と期待しかなかったのですが。
実際には、実売32万円台で、性能に関してはやはり文句なしで、それどころか期待を超えて驚くばかりでした。
花物を中心に何度かテストはしましたが、今回は遠景での実戦投入。
とくに田貫湖は広角で富士山と空を捉えるので用途としてはドンピシャのレンズになります。
これまでGFレンズで最広角だった単焦点の23mmよりも更に広角の20mm(換算16mm相当)から使え、35mm(換算28mm)までのズームは非常に便利。
驚くべきは絞り開放から周辺までバキバキに解像していて隙きが全くないということです。
かつて広角でここまでの写りをするレンズがあったでしょうか。
開放のF4でも95点くらいの写りをします。
単焦点の23mmとも比較をしましたが、単焦点よりも軽量で、ズームレンズにも関わらず、ほぼ遜色のない写りでした。
開放F値も同じなので、おそらく23mmは手放すことになるでしょう。もう少し厳密に比較をしてから。
中判センサーのGFXにおいてこの性能のレンズが出てきたことにはただただ感動です。
30万では安いくらいに思える性能ですし、軽量コンパクトでこの描写とは、いったいどんな魔法を使ったのか?と思えるほど。
これからの撮影で活躍すること間違いなしのレンズです。山からの朝焼けなどを撮りたくなります。
なおサードパーティのGマウントレンズ「LAOWA 17mm F4 GFX Zero-D」も使っています。
こちらはまだ純正にはない焦点距離で一定の価値は残りますが、描写では惨敗です。
開放付近の描写は周辺が悪く使い物にならず、F11程度で画質のピークになりますが純正レンズの開放にも及ばない感じです。
フルサイズの良いレンズで撮ったほうが高解像が得られるかもしれませんね。
というわけで珍しく機材について語りました。
最近は「ある物で撮る」ではなく、「撮りたいものに必要な機材を揃える」というスタンスで積極的に機材投資をしています。
結果的には充実した撮影ができており、肌に合わなかった機材は順次手放していきます。
被写体や写真に関する熱よりも、機材に関する熱が高いと出来上がる作品のクオリティは心配されますが、
ときには機材が導いてくれて良いシーンに出会うこともあります。
当然ながら被写体への愛情を忘れずに持ちながら、最高の一枚を撮るために日々活動しています。
アップロード日: 2022年10月12日