雪景色の竜ヶ岳よりダイヤモンド富士の写真̌̎雪景色が照る時̏ - 精進湖・本栖湖・富士五湖西部周辺エリア࿸山梨ݼ࿹̍

『 雪景色が照る時 』

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富士山写真において定番シチュエーションのひとつ、竜ヶ岳からのダイヤモンド富士!
しかし雪景色での撮影となるとあまりチャンスがなく、今回は運良く撮影に成功しました。

今回の撮影においては苦労や感動、トラブル、思うところなどが色々ありました。

まずは自分の体調でしょうか。
11月22日の高ボッチ高原での撮影の後、高熱を出してダウン。

それから1ヶ月近くとなりましたが、これまで長いこと体調が悪い状態が続いていました。
先に発症していた家族がコロナ陰性でしたが、普通の風邪より重い症状だったので自分はコロナだったでは、と今では思います。

12月前半は、登山をしても身体がグッタリしていて、それよりは気持ちが明るくならない、気持ち良くなれないというのが異常でした。
食欲も3週間位は弱まっていて、体重も4kgほど減りました。

今回の竜ヶ岳、体調回復してきた感はありましたが、いよいよ完全復活という印象でした。
ダイヤモンド富士は中腹で撮影し、その後は山頂までを往復するコースへ。
非常に気持ちよく歩けて楽しめましたし、違和感は全て消えました。
回復して良かったです。

この竜ヶ岳は富士山展望の定番の山でもあり、この日は日曜日ということもあり非常に沢山の登山客で溢れていました。

私も、写真を始めて浅い頃におそらく2度ほど訪れていて、写真を見返すと2013年の11月と、2014年の12月にデータが残っています。
(Twitterでは約10年前と書きました。8年前でした。)

久々のため、撮影のために事前にロケハンをしておきたかったのですが、最近はなかなか時間が作れずぶっつけ本番に。

竜ヶ岳は、登山道の中腹から山頂付近まで広くがダイヤモンド富士が見られるスポットです。

ロケハンなしで、どこで撮るかは8年前の記憶とその場のノリで決めるしかありませんでした。
しかも2回目に登った2014年は、裏側の登山ルートを使ったため、中腹のつづら折り以下を最後に歩いたのは9年前のことです。

今回の撮影ポイントは、登山道の序盤に出てくる展望地になりました。
体調が復活したかまだ確証がない中、時間的、体力的なことを考え、
また、実際に撮影ポイントとして十分有効だと判断できたこと、そして手前のポジションのほうが太陽の出る位置が良かった事などがありました。

予定ではもう少し山頂方面まで登り、右側からのダイヤモンド富士を狙う予定でしたが、手前のポジションを見つけたことで、左寄りからの日の出となり、少し太陽が上ったところで中央となります。
というわけで、予定よりもだいぶ手前の標高の低い位置からの撮影となりました。

日曜日ということもありカメラマンが集結しているかと思いきや、知り合いは1人のみ、カメラを構えているカメラマンも数人しか居ませんでした。
この好条件にどうしたものか。SNSを見ると多くのカメラマンは順光側の雪景色を狙っていたようです。

久々すぎて完全に浦島太郎状態となりましたが、展望箇所も思ったより多く、近くをウロウロしてベストポジションを探ります。
最後まであっちかこっちかと悩みながら、ポジションを決めました。
ダイヤモンド富士は一発勝負で、大事な瞬間は何枚も撮れませんから、位置決めが非常に緊張します。
前景を気にしつつ、アングルも少し上げるか、下げて前景を近づけるか。
悩んで悩んでノイローゼになりそうです。

カメラは逆光に強みがあるニコン機を使います。
太陽が出るまでは、メイン機の富士フイルムGFXと使い分けます。

しかし最初のトラブルは、GFXのバッテリー切れ。
しばらく撮影がなかったために内蔵バッテリーが減っており、ダイヤモンド富士の撮影ばかりが頭にあったので富士フイルムの予備バッテリーはあえて持ってこなかったのです。
日の出前にバッテリーが切れてしまい、これは参った。

こういうときは、脇の下にバッテリーを挟んで温めると、いくらか復活する。
この方法を使うと、「30秒ほど温めれば5カットは撮れる」みたいな状態となり、非常にバタバタしながら撮影しておりました。

ニコンではダメということはないですが、やはり1億画素の解像感を見てしまうと、ニコンのレンズでは解像力不足に思えてしまいますね。

そして日の出前にニコンカメラに切り替えて、いざダイヤモンド富士の時間。
富士山山頂の日の出からは1時間ほど遅れます。

ここでもハプニングで、日の出により風が発生して、辺りの木々から雪が吹き付けてきました。
視界を遮るブリザード状態で、カメラもモロに雪を被ります。

フードを付けていなかったレンズにも雪が掛かり、慌ててレンズを清掃。
逆光ではレンズ面の汚れは非常に目立つので、拭くためのティッシュをポケットに用意してきたことに救われました。

レンズ清掃で今度はズームとピントがズレてしまい、もう日が出ているのに構図をやり直し。
どんどん太陽が上って中央まで来てしまいました。

そしてなおも吹き荒れるブリザード、風が止んだタイミングで撮らないと吹雪の写真になってしまう。

本当にバタバタした。ただでさえ慌ただしいダイヤモンド富士に、いくつものトラブルが重なりました。

でもなんとか、形になって良かったですよ。
完全に拭ききれなかった水滴などの影響も少しは出てしまいましたが。

仕上げに関しては、元画像からはけっこう手が入っていると思います。
Jpeg撮って出し画像も公開しちゃいます。

ニコンは現実に忠実で素直な色を出しますので、印象的に仕上げるにはある意味でレタッチテクニックが必要ですね。
でも元のデータが良いので、うまく仕上げた場合の完成度は高い気がしています。
FUJIFILMの色表現は良いと巷では言われますが、個人的にはニコンの写真をうまく仕上げたときの方が好きな場合もあります。

レンズは逆光に決して強くないズームレンズですが、ゴーストをレタッチで処理しています。
まだまだPhotoshopのテクニックが甘いので勉強したいと思っています。


さて話は竜ヶ岳に戻りますが、ダイヤモンド富士を撮影後、山頂まで8年ぶりのハイキングをしました。
登山道が泥でグチャグチャになりやすい山ですが、この朝は雪が乗ってチェーンスパイクで非常に歩きやすかったです。

登山口から山頂までのコースタイムは2時間近くになり、思ったより標高差のある山です。
標高差が570メートルくらいありますね。
この日はカメラ2台、レンズ3本を担いで登ります。

8年ぶりということもありかなり状況も変わっているはずなので、入念にロケハンをしながらゆっくりと登りました。
撮影可能な場所を全てグーグルマップに記録しメモしながらの登山。

明らかに、当時と雰囲気が違う気がしていたのですが、山頂に辿り着いたときに、その違いを確信しました。

8年前に来たときは、山頂の笹は人間の背丈を超えるような大きさで、富士山を望むには後ろに下がらなければならなかったことを覚えていました。
現在の竜ヶ岳は、笹の高さが腰か胸の高さくらいしかなく、展望が良いのです。

しかしその理由は分かります。
笹が低くなった理由はおそらく「笹枯れ」です。
笹枯れとは、数十年に一度、その山や山域の笹が一斉に枯れる現象です。
笹は地面の下で根が繋がっていて一斉に枯れるそうです。

赤石岳避難小屋の管理人だった榎田さんとお話していたときも、竜ヶ岳で笹枯れがあったという情報を聞きました。
それが、この8年の間にあったのだと思われます。
他にも、ここ数年で枯れたと思われる山域を知っています。

これからまた笹が伸びてくると思われますが、現状ではかなり展望が良い状態なのではないかと思います。
SNSでは「伸びてきた」という情報も見たので、おそらく数年前よりは伸びているはずです。

道理で8年前とは印象が違うわけです。

以前は展望が無かったはずの場所から、富士山が裾野までスッキリ望めます。
登山道は基本的に笹原になっているので、登山道のほとんどの場所から富士山の大展望。
これは気持ちが良いです。

三脚を特別に高く上げたりしなくても、大展望の富士山が撮影できます。

「竜ヶ岳、生まれ変わったな!」と思いましたよ。
笹が枯れたのが何年なのかは分かりませんが。
この先5年くらいは良い展望が続くのではないでしょうか。

私が8年もの間に再訪しなかったのは、笹が高くてここまで展望が良いという印象が残っていなかったからでしょう。
今ではどこからでも富士山が見える素晴らしい展望スポットです。

今回のように雪が降れば、様々な構図での撮影が楽しめそうです。
そうでなくても、笹や立木が色々なバリエーションで存在し、面白い山だと思います。

のんびりハイキングは、山頂でしばし休憩してから、またのんびりと下山。
狭い登山道を多くのハイカー達とすれ違いながら下っていきました。

未明から登っていて、気づけば午後になり。
光線状態が良い中、木々に着いた雪がまだ残っているので、撮影したかったのですが、富士山に付いた雲がなかなか取れず。
中間の東屋まで下りてきたところで完全に雲が切れて富士山が登場。
こうなると分かっていれば、下りずに山頂付近でも撮影したかったけど、難しいもの。
GFXのバッテリーが残っていればまた気持ちが違っていたかもしれませんが、ついに温めてもほとんど撮影もできない状態となり、ゲームオーバー。
流石に電池の切れたカメラを担ぎ、日が昇ってドロドロになってきた登山道をまた登り返す気力は無かったです。


そういったわけで、8年ぶりの竜ヶ岳では様々な収穫があり。
ダイヤモンド富士が望める期間も長いので、また訪れたい気持ちが高まっています。
雪や霧氷がなくとも、前景を工夫しながら撮影してみたいところですね。
以前よりも笹の葉が小さく迫力がなくなっているのは、少し残念でもあります。

そしてトラブルは最後まで続きました。

登山中に、ポケットに突っ込んだニット帽を紛失しており、きっと下山中に見つかるだろう…と。
すると、無事に拾ってくれた誰かが枝に帽子を引っ掛けてくれていて、見つかりました。

これで一安心と思いましたが、車まで戻ると、ザックに括り付けていたはずのレジャーシートが無い。
すみません、登山道にレジャーシートを落としてきたようです…。
次に登った時にどこかにあれば、回収させていただきます。

そんなこんなの竜ヶ岳。楽しかったです。

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アップロード日: 2022年12月21日

自己評価: ★★★★★

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