気嵐(けあらし)の立つ湖越しの富士山。
11月頃はこういった光景が見られやすいシーズンです。
しかしなかなか条件が良い日を狙って撮りに行くのは難しい!
確かに「空気が冷え込むこと」がひとつの発生条件ではありますが、それだけではないでしょう。
まずベースとして地表付近の湿度が高いほうが良いですし、風にも影響されます。
当然ながら風が強ければ空気も混ざります。
水温に対して気温が相対的に低いことが条件となるため、理想的には、暖かい日の翌日などが良く、逆に寒い日が続くと観測しづらくなると考えています。
精進湖は自宅からも比較的遠くなく来やすい場所である一方、なかなか面白い条件には出会えない。
秋が終わり、冬になると、何の変化もない「快晴の日」が多くなります。
こういうときが一番難しさがあります。晴れ続きの中、突然に良い日があったりします。
それを逃さないよう、日々研究を続けているのですが…。
この日もそのような条件だったかもしれません。
晴れ続きの日々の中、少し風向きなどに変化を感じたので久々に家を出ました。
湖の100m上には僅かに雲が出始めていて、もう少し湿度が上がれば雲海となりそうでした。
雲海が濃ければ、山へ登って雲海を撮るのが正解です。
しかしそこまで湿度が上がりきらず、湖畔からも富士山がしっかりと見えました。
日の出までに何度か富士山が雲に隠れるシーンがありましたが、それくらいがちょうどいい。
湿度が何もなくカラカラでは変化がありません。
最終的には、富士山に掛かっていた雲が消えてスッキリ。
湖の気嵐は素晴らしい雰囲気となりました。
大抵の場合、日が昇ると空気や地面が温められて変化が生じ、風が吹いたりします。
その風に乗って湧き上がる気嵐、ときに富士山を隠してしまうほどに燃え上がりました。
ここまでの迫力は見たことがない!
写真でも、太陽の輝きがはっきりとは見えないほどに湧き上がっています。
この日、更に良かったのは上空にも薄雲がやや出たことです。
やはり平で凹凸がない空よりは、少し雲があったほうが画面に変化を付けられますね。
天気の変わり目はやはり面白いと思えた朝でした。
欲を言えば富士山の冠雪がもう少しあって白ければ、素人にもより分かりやすい富士山を表現できたことでしょう。
アップロード日: 2021年12月5日