秋を象徴するような雲がこの鱗雲。
例年、この時期は南アルプスに登山していることが多く、実は山麓で朝焼けを狙うことがあまり多くなかったように思い出されます。
自分は山にいて、山麓のほうが綺麗な焼けだった、ということも過去に何度かありました。
意外とこの時期の西麓は狙い目ですね。
今年は新型コロナウィルスの影響で山にも立ち入れず(同時にトレーニング不足)、山麓で過ごす日々となっています。
この朝は、もともと撮影に行く予定ではなく過ごしていたのですが、
深夜にライブカメラを見ると徐々に雲は掃け、上空に鱗雲が出現。
(東風傾向で2000m級雲海でしたが場所により晴れ。)
このとき、東の空に雲がなく、鱗雲の状況次第では朝焼けになるだろうと考える。
基本的には東の空が晴れているときは朝焼けは綺麗です。
諸々の状況からピンと来て、久々に富士山に呼び出されるように出動。
なんとなく富士山が「今日は行って損なし!」と言った気がして、気付いたら家を飛び出していました。
時間はギリギリで、迷わず駆けつけた田貫湖に入ると既に薄明。
ちょうど隣にいた男性に「なんか見たことあるな」と言われ、何者かと思ったら大山行男さんでした。巨匠と狙いが同じだと嬉しくなりますね。
そして鱗雲なんていうものは、なかなか狙って撮れるものでもなく、運命に任せるのみ。
鱗雲ってどういうときに出るんですかね?って大山さんと話したけど手がかりなし。
「秋に出るんだよ」って言われたけど、それは、知ってる。
さて雲の行方を見守りながら夜明けを待つと、いい具合に雲は途切れず、広がりを見せている。
正直、消えてしまっても仕方ないし、変な雲が出てきてしまっても仕方ないと思っていたけど、今日は運が味方してくれたようだ。
結果、朝焼けの時間にはいい具合に雲が空に広がり、なかなか見ごたえのあるシーンとなりました。
朝焼けピーク時にはうすらサンピラーのような光も見えます。
欲を言えばヌケ。やはりPM2.5の影響か空気の霞があり、朝焼けにはただただマイナスに作用したように感じられました。
水分による湿度であれば色味が増したり強烈な反射を生む場合もあるのですが、PM2.5のような霞だとただ光が弱く、くすんでしまうのみ。
過去に見てきた先人たちの写真と比べても、どこか鮮烈さに欠ける映像のように見えてしまいます。
自然破壊に大気汚染、風景写真を取り巻く環境は基本的には間違いなくゆるやかに悪化しているでしょう。
それでも見事な鱗雲の朝焼けにリフレクションもあり。
それなりに満足度の高い作品となったと思います。
なお、当サイトの新しい試みで、RAW現像処理をかける前のJpeg撮って出し画像を公開する試みを今回から施行しています。
アップロード日: 2020年10月11日