ようやく撮れた、準定番の一枚です。
ツツジと富士山の組み合わせは、世間一般の間ではあまり見かけない組み合わせかもしれませんが、
富士山写真の世界では、熱心に狙っている人が多い被写体です。
写真としてはあまり需要がないように思いますが、個人的には好きですね。
ツツジの魅力は、斜面にワイルドに咲いている存在感でしょうか。
株にもよりますがかなり大きさがあり、山の中で際立っている存在です。
また登山しなければならず、季節的にも富士山が晴れにくい時期に咲くという難しさがあります。
難易度が高いからこそ何年も熱心に追いかけているカメラマンが沢山います。
今回の被写体となっているミツバツツジは「大株」と言われていて、富士山カメラマンの間では有名な株です。
これ、写真で見ても分からなかったのですが、現地に行くと大きくてかなりの迫力があります。
高さは2~3メートルくらいあり、いくつかの株が連なって横に並んでいます。
少し離れると富士山とセットで撮影するにはちょうど収まりの良い感じになりますね。
ツツジの開花と富士山の天気が両方揃った日に、登山してこの場所に居るというのはかなり難易度が高いです。
何度かチャンスを狙って訪れていましたが、撮影できたのは初めてでした。
昨年も来たときはツツジの開花がかなりダメな状況でしたが、今年は良く咲いている情報を事前に入手していました。
前日はお隣の山のツツジを狙ってガスの中で撃沈、その前日は三ツ峠山へ登っており、3日連続の登山となりました。
3日連続は縦走などを除くと過去にも例がないかもしれません。
ツツジは開花時期が短く、天気は難しいため、咲いていると分かればダメ元でチャレンジする精神が必要となりますね。頑張りました。
また私的な身体事情ですが、ここ数年は股関節痛に悩まされていました。
登山するたびに股関節が痛むようになり、重い荷物で身体をダメにしてしまったか、運動不足や体重増加、加齢により体調が悪くなっているものだと思っていました。
ところがその原因が、身体にフィットしないモンベルのズボンであったことが判明。
数年間気付かずに履いていました。
いつしか、そのズボンの動きづらさと痛みが連動しているような気がして、別のズボンを購入して使うようになると、痛みはなくなったようでした。
今回の3連続登山でも、モンベルのズボンを止めたところ、少しの痛みも出なかったので万事解決です。
水を得た魚というか、病気からの復活というか、視力が回復したような感覚というか、非常に動きが楽になって元気が出てきました。
(モンベルパンツのときは「足を開く」という動作がしづらく、関節に負担が掛かっていた。今思うと致命的。)
そういうわけで事情説明が長くなりましたが、元気も取り戻して?撮影に挑むことができました。
花物を撮るときのポイントとして、「日当たり(つまり時間帯)」と「アングル(構図)」が重要になってきますね。
今回はヒント程度としておきますが、やはりきちんと日が当たっている時間に撮ることが重要です。
日の回りが遅い花は、陽が当たるまで待たなければならないため、その間に富士山が雲に隠れてしまうことも。
今回もギリギリといったところ。
そしてもうひとつ重要なのがアングル。
遠くの富士山だけを撮る場合はどこで撮ってもあまり変わりませんが、前景を入れる場合は、撮り方一つで印象がかなり変わりますので。
左へ右へ移動し、立って撮るかしゃがんで撮るか。
普通の人は立って写真を撮るので、構図のためにしゃがんでいる人がいればそのカメラマンはなかなかの腕と情熱の持ち主ですよ。
また、時にはハイアングルで高さを出したいときもあります。
実は私はこの山に、脚立と大型三脚を背負ってきたことがあります。
幅もあるし重さもあるしなかなかの労力です。
今回もそうしようかとも思ったのですが、やめて最小限の装備で来ました。
でも、工夫してハイアングルを試したりもしました。
ちょっとハイアングル撮影については自分独自の手法を編み出して定着化してきているので、今後の新しい構図の模索が楽しみになっています。
この日も”インスタライブ”をやりたい気持ちはあったのですが、電波の入らない山だったので断念!人も多かったしね。
色々と話は脱線しましたが最後に写真の話をまとめ。
まずは花付きと咲き具合が割と良くて及第点。去年に比べたら全然良い。
場合によってはもっと花付きが良くなりそうなので、今回は90点くらいでしょうか。
そして開花の進みという意味では、この日がジャストピークだったと思います。
富士山は、このときは雲海を従えて青空に突き出ています。
この朝、天気が全く読めず、家を出るか悩んでいましたが、前夜が南風で夜中から北風に変わるという予報で、晴れていくんじゃないかと思え、慌てての出動でした。
北高型の気圧配置はいつも危険だけど、今回は北海道付近で遠かったことと、前夜まで南風が入っていたのが普段とは違う傾向でした。
夜明けの頃は雲が高く湧き上がっていたけど、徐々に落ちいたので良かった。
ヌケがよくなさそうな予報もあったけど、まずまずスッキリして及第点でしょう。
いろいろと拘りを持つと、粗探しみたいな見方になってしまいがちですが、それも定番構図の宿命とも言えますね。
もう少し雪があればとか、奥の木の枝の先が割れていなければとか、色々です。
でもとりあえず形になって良かった。きちんと花と富士山、バッチリ撮れています。しかも雲海付きで。
雲が温められて湧いてくる時間においては、かなり狙うのが難しくなるので今回良かったと思っています。
今回でも十分良い写真になったとは思いますが、まだもう少し上を追ってみたい気持ちもあり。
きっと今後何年も通って「最高の日」を仕留めにくると思います。
6月上旬頃、会いましょう^^
今回の写真は「ようやく撮れた定番の一枚」ということで、有り難く自分の作品群のひとつになります。
アップロード日: 2021年6月3日