冬らしく澄んだ空、鮮やかな紅富士と月の組み合わせ。
田貫湖より撮影しました。
この日は、朝霧高原の特定の地点であれば、月が山頂から昇りくる
「パール富士」を撮影することができました。
しかし朝霧高原の撮影ポイントは、この田貫湖よりも富士山に少し近い位置です。
富士山に近づくということは、富士山を見上げる角度が高くなります。
すると、月の高度がより高く昇ってからでないと、月が富士山の上に出てきません。
そのようなタイミングを考慮すると、富士山が赤く染まるタイミングと、
月が出てくるタイミングをうまく合わせることができなくなる可能性が高かった。
よってこの日は、富士山からより遠く、また月が左から昇ってくるような
ポジション取りを考えて、田貫湖での撮影をプランニングしました。
写真を撮るということは、ただその場で被写体にカメラを向ける以前に、
「どこで」「どのようなものを」撮るかを決める、計画の時点から始まっています。
今回の選択が正解か不正解かなどわかりませんが、
結果的には綺麗な月と、赤く染まった富士山をとらえることに成功。
冬場以外では、このように富士山が綺麗に染まるチャンスも少なく、
私としてもようやくこのようなシーンに出会えた、という貴重なシーンでした。
願わくば、この月がもう少し富士山に近い位置だと良かった。
それは、撮影ポイントを少しずらして工夫すれば可能だったかもしれませんが、
田貫湖にいれば、湖面に富士山や月を映した光景も撮れるので、今回はそちらを重視。
なんとも、体はひとつしかないし、欲張っても選べるポイントは1箇所。
撮影の難しさと楽しさを感じるのでありました。
またひとつ、月を撮影するときに良く思うことなのですが、
月は意外と明るく輝いているわり、その月面の模様は目でもしっかり鮮明に見えます。
それが、写真にするとどうも白飛びして模様が出てこなかったり、
模様を出そうとすると相対的に他の部分が暗くなってしまったりします。
これが写真の難しいところといいますか、カメラは人間の目を超えられないのです。
この際、肉眼での見た目に近いような写真を作るため、
合成などのテクニックを使うのも良いかもしれません。
この写真は特にテクニックを使うことなく、ごく自然な調整のみにとどめています。
アップロード日: 2017年1月15日