日没後、月が昇ってくるタイミングの残照のパール富士です。
ダイヤモンド富士は太陽の光源だけでほぼ表現されますが、
パール富士は、月の満ち欠けによって形も違ってきますし、
また太陽光の状態で、非常に多彩なパターンが存在しています。
今回は西に日が沈み、富士山がうっすらと夕焼けに染まる頃。
あたりは暗くなっているため、月の輝きが強く放たれています。
実はこの日の撮影は当初考えていなかったのですが、自作したアプリがそのタイミングへと導いてくれました。
スマホの画面でふと見かけポイントへ、向かったのでありました。
南部町の佐野峠には、誰一人もいませんでした。
私がカメラをスタンバイしている間に、何台もの工事関係車両が峠を下って行きましたが…
カメラマンは誰一人おらず。
三脚を構えて日没を待ち、その定刻を一人で待っていました。
空は快晴、日が沈んで富士山がぼんやり照らされる頃、
まずは山頂に舞う雪煙が、背後から昇り来る月明かりに照らされるのがわかりました。
いよいよ月の出。
ぼんやり浮かぶ富士の背後から、そっと、そして力強く輝きが溢れ出す瞬間は、興奮でしかありません。
雪煙も相変わらず月明かりに照らされ、山頂を縁取るように輝きました。
非常に渋くて、雰囲気のあるシーン。
予想外に湧き出した雪煙は嬉しいサプライズ。非常に良いアクセントとなりました。
月の動きは早く、また沈みゆく太陽に富士山の色も変化する。
非常に動きの早いシーン、なおかつ月の光によるゴーストの映り込みなどに注意しながらひたすらシャッターを切り続けました。
青空のようなシーンではあまり変化がなくのんびりしてしまいますが、
雲が出ていたり、月が動くようなシーンは、非常に忙しく、スピーディな撮影が求められます。
油断しているとほんの数秒のシャッターチャンスを逃します。
一瞬も気は抜けない。集中力を切らせてはいけない。
冬場は雲が出にくいので、少し忘れていたこの感覚。
必死に集中して、無我夢中の撮影をしました。
アップロード日: 2017年1月15日




