空がぼんやりと霞み、いよいよ日の出が近づく時間。
柔らかい空気がじわりじわりと明るくなる。
背後からの明かりで富士山もしっかりと浮かび上がりました。
この場所からの撮影は久しぶり。
この日は、参加している写真クラブの集まりのため、仲間たちと一緒に撮影しました。
我々は9名の団体でしたが、加えて夜中の3時に15名ほどの団体もやってくるし、
もちろんその他の個人カメラマンも多数。
富士山が初冠雪した直後の日曜日ということで、異様なほどの満員御礼。
普段は多くても20人くらいのカメラマンだと思いますが、
この日は40~50人の人出。
ところ狭しとカメラマンが立ち並び、最前列をキープしそこねたカメラマンは
後列から狙うため、まともに撮影はできなかったでしょう。
知り合いは脚立に乗って私の後ろから撮っていました。
また、夜中に場所取りをした人の三脚を、後から来たカメラマンが勝手に動かして言い争いになるなど、トラブルも発生。
カメラマンがたくさん集まるとこういうことになります。
三脚での場所取りについてはグレーなところがあり、どちらが悪いとも言いづらいところ。
有名で、絶景で、駐車場から近いところではこういうことが起きます。
だからここは有名な場所ですが、どこですとは私は書かないのです。
インターネットの影響力は今は大きく、「絶景ポイントあるぞ」と目をつけられると、次々に人が集まってしまう傾向があります。
集まった人がまたブログなどを投稿することで、二次的、三次的に伝搬します。
私も本当は撮影ポイント名を隠したくはないのですが、
このあたりは非常に難しい問題です。
インターネットはやはり世界を変えましたね。
そういえばこの場所は、手前のカラマツがどんどんと成長して、
街並みを遮るようになってきました。
もはや木が入らないように構図を工夫するより、
木を取り入れて作品にしていく方が賢明な判断です。
南アルプス一帯はユネスコエコパークに登録されたこともあり、
この木を伐採してまで展望を確保するようなことは、おそらくないような気がします。
木の成長は思ったより早く、1~2年で明らかに伸びたことがわかるほどです。
こうして富士山の撮影ポイントは、年々失われています。
アップロード日: 2014年10月21日