三つ峠から望む雲海に浮かぶ富士山。
まだ暗い、午前4時半のこと。大きな月が頭上から照らしています。
1700m付近で平坦になる大雲海。
このような雲海はときどき見られますが、年に10回とかその程度です。
非常に撮影チャンスが少ないです。
また、なぜこの高さに雲海が平らに落ち着くのか、理由はわかりません。
そして大抵は、雲海の高さは安定せずに上下して、
自分が雲に飲み込まれてしまったりします。
なおさら撮影は難しいというわけです。
この日はライブカメラでこの雲海を確認し、
しかも前夜から長時間にわたって高さが安定している様子が伺えました。
これは急げば間に合うかもしれない!?
もう時間は午前1時頃で、ふつうはこの時間から慌てて撮影に出ることはないのですが、
高速を飛ばして急いで駆け付けました。
富士吉田市あたりは薄く霧がかっていて、風もなくいい雰囲気。
とても幻想的な、不思議な雰囲気です。
ザックにカメラ2台、三脚2本、防寒着などを急いで詰め込み、
着替え、登山靴を履いてソッコーで登山スタート!
最近は高山へのアタックを繰り返し体力がついていたことから、
あまり疲れず早足のノンストップで一気に山頂まで。
わずか50分程度で三つ峠山頂です。
しかし、到着時に見えたこの光景も、カメラをザックから取り出している間に隠れてしまったのです。
ライブカメラでもずっと見えていたのに、まさかのガス…
風があり寒いし、なんと雨までパラついてくる。
マジっすか!?
視界なし、小雨、寒い…どうしてくれよう。
急いできたけどタイムアップなのか。
そんな不安に駆られているとき、再び霧が晴れて顔を出しました。
見事な大雲海です。
ここ三つ峠から望む大雲海というのは、他のどことも違う迫力があります。
正直、写真では伝わらないと思います。
足元まで迫る大雲海はどこまでも続き、その先に堂々たる富士の姿。
しかもこの富士山がめちゃくちゃデカイのです。
本当に「目の前」という感覚。
近からず遠からず、富士山が最も迫力を持って、美しく見える場所。
それがこの三つ峠なのです。
とにかくその迫力に酔いしれながら、撮影開始です。
次にいつ霧で見えなくなってしまうとも限らない。
撮影していると、ちょうど右側に山の一部が見えてきました。
雲海が微妙に上下しているようです。
願わくばもう少し雲海が低いほうが山が見えて良かったのですが、
この絶景を前に文句など言えません。
※ちなみにこの日はメインの24-70レンズが修理中のため、
最近購入したPENTAX 645用 35mmレンズを初めて使用しました。
正直もっと広角でも良かったので、14-24レンズを持参しなかったことを大変後悔しております…
アップロード日: 2014年10月13日