南岸低気圧の発達で、富士山周辺は長い雨に見舞われ、
じっくりと気温も下がってきた。
いよいよ富士山にしっかりした雪が降ることが予想される。
今年はこれまで3回ほど、うっすらと富士山の頭に雪が付いた状態が確認されていました。
地元カメラマンなどが撮影した画像がTwitterに投稿されたりしていました。
しかし富士山の初冠雪は、山梨県の甲府地方気象台から目視で雪が確認されなければ、
公式な「初冠雪」とは認められないのです。
よって、今回の長雨でようやく「初冠雪」と認定されることが濃厚となったのです。
さてどこから富士山を狙おうか?と考えて、やってきたのが南アルプス観音岳でした。
なにも、ここまでの高山に登る必要があったのか?と問いたくなるような場所です。
実はこのときに、北岳に3人もの知人カメラマンが登っていたことから、
ライバル意識が芽生えてしまったのです。
仲間が高山なら、自分も高山に行かないと。
しかし結果的には、南アルプスまで登って正解でした。
とくに、この観音岳に来たことが良かったです。
朝は樹氷に雲海を撮影でき、昼ごろに曇るも、午後にまた素晴らしい富士山を望み、
夕景も見事だった。
そして私自身、南アルプスから秋冬の冠雪富士を見るのが初めてでした。
「南アルプスから冠雪の富士山を見る」というのは、それだけで価値のあること。
標高が3000m近い南アルプスの主峰では、気象的な厳しさから、通常は真夏の期間が登山シーズンです。
富士山に雪がある時期は、南アルプスにも雪がある場合が多く、夏の登山より過酷な条件となります。
その中で今年は6月にもここに訪れて冠雪の富士を撮影しました。
そして今度は10月に。
この日は富士山の初冠雪と同時に、南アルプス一帯も初冠雪となりました。
この写真を撮影したのは昼過ぎで、薄く積もった雪は全て溶けました。
斜面が白いのは、砂の斜面であるからです。
とにかく、標高およそ2800mから望む冠雪の富士山は最高に美しいです。
真っ白な雪、新雪ならではのフラットな冠雪のライン。
午後になり太陽が西に回って、順光に輝く富士山。
そして残る雲海。
全てが完璧です。
この上なく美しい。
ただただ感動の光景。
それをひたすら眺めるだけのこと。
言葉にならない、言葉では言い表せない。
それで良い。絶景をただ、全身で感じました。
アップロード日: 2014年10月23日