三ツ峠山からの月光風景。
11月に大雪が降ったり、年明けから雪が少なかったり気温が高かったりと、例年とはどうもリズムが違うように思えるこの冬。
2月に入り、久々の雪が各地を白く染めました。
やや条件の良い雪で、木々への着雪もまずまず。
今回は月光の明るい夜というのがテーマで、当初は別の場所から月光の雪景色を狙っていました。
しかしいざ富士山周辺を走り回ってみると、どうも雲海のような雲が立ち込め、主には北側しか視界がない。
これでは雲に飲まれてしまうと思い、晴れている方向の三つ峠に急遽登ることにしました。
結果、北から流れ来る湿った風が激しく吹き荒れ、難しい展開でした。
しかし甲府盆地は2000m級の暴れる大雲海で、その雲がこちらにも流れてきます。
ときおり雲が切れると富士山が顔を出し、良い表情をしていました。
木々には「雪が乗っている」という状況ではなく、「霧が吹き付ける」ことによって霧氷が形成されて白くなり、月光で輝いていました。
手前に積もった雪も美しく目を引きます。
真夜中であるにもかかわらず、白が美しく輝き、陰影を作る幻想的な光景でした。
雲海の動きも非常に早く、富士山も見え隠れしていることから非常に難しいシャッターチャンスでした。
寒さに震えながら、設定をあれこれ検討しているうちにガスに呑まれて終了。
結局、朝は分厚い雲に覆われ、山頂は激しい吹雪にさらされ富士山を望むことはできず。
気温はマイナス11℃まで下がり、私の経験してきた富士山撮影の中でも最も過酷な環境のひとつとなりました。
アップロード日: 2017年2月10日