御殿場からのパール富士です。
山頂から浮いているので厳密にはパール富士とは呼ばないかもしれませんが、
富士山が順光での撮影においては、
月の位置がど真ん中でなくても見栄えがするのが良いところです。
月が富士山頂に掛かるタイミングと、
富士山が朝焼けに染まるタイミングが一致する難しい条件ですので、
撮影チャンスがそうそうあるわけではありません。
このチャンスを狙って、休日とも重なったこの日は
知人カメラマンも御殿場周辺に大集合。
Facebooke,Twitterのタイムラインにはこのパール富士の写真が埋め尽くし、
ざっと30~40人くらいのカメラマンがこの瞬間を撮っていたことがわかります。
私の知人、SNSをやっている人だけでこの数はすごいです。
インターネット、SNSの影響でカメラマン同士の連携も密になり、
多くの人が同じ狙いになるということが多くなってきた昨今。
パール富士の撮影情報を掲載している当サイト「富士山とともに」も
おかげさまで過去最高アクセス数を記録しました。m(__)m
さて撮影条件としては、非常に良かったです。
寒気が入った影響で山頂には雲が湧きましたが、
多すぎず少なすぎずといったところでしょうか。
ドピーカンよりは雲が少しある方が良いです。
望遠での切り取りになるため、雲の形が多少悪くても撮りようがあります。
もう少し雲があっても良かったくらい。
また紅富士の染まりはバッチリで、日の出時刻からすぐに染まってきました。
遮る雲もなく見事な染まり方。
ただし冷え込みまたは大気汚染の影響で、
ヌケが悪かったため、少し締りのない映像となりました。
今回は紅に染まった山頂部分を主題とし、
光の当たっていない下部を暗めにして引き立て役にしています。
先日の雨で一度は全面真っ白になった富士山でしたが、
ここ数日で雪も飛ばされて黒い地肌がチラホラ見えます。
望遠撮影なので、このような雪の模様もまた見応えがあります。
遠目にはただ「月と富士山」という構図ではありますが、
月の模様も、富士山の冠雪の模様もしっかりと描写されえており、
拡大したり大きく伸ばしてプリントするとまた
見応えのある作品だと思います。
多くの人が同じような写真を撮っているので、
SNSのような環境においては「その中の一人」として埋もれてしまうかもしれません。
しかし先日思ったことは、写真は「誰が撮ったか」によって意味合いが変わってくるものだと思います。
今日の写真が仮に”みんな同じ”だったとしても、
今日の一枚は、その撮影者のコレクションの中の一枚となります。
「今日撮られた写真の中の一枚」という見方をしないで、
「この人が撮った写真の中の一枚」という見方をするべきだと思います。
今日の撮影も、楽しめました。
アップロード日: 2015年12月27日