夕焼けの時間、まだ富士山は雲に隠れてハッキリ見えなかった。
しかし夕焼けのほとぼりも冷め、夕日がゆっくりと輝きを失った頃、その頂が姿を現した―。
赤石岳より望む冠雪の富士でした。
日中は雲が多く展望がなく、夕方になって西の方になんとなく輝きを感じる展開でした。
夕暮れの頃に、小屋に泊まっていた登山者たちとともに外に出ると、綺麗な夕焼けが見られました。しかしその時間、富士山は雲の中。
夕焼けが冷めて登山者は小屋に戻り、空がブルーアワーに染まる頃、富士山はひっそりと姿を現しました。
その頂には、雪が乗っていました。
9月24日、今シーズン初めての雪化粧でした。
ここは標高3120m赤石岳、雲海の上。
ひょっとしたら下からは誰も見えない、雲の上でしか見えない初冠雪だ!
…と思ったのですが、朝霧高原のライブカメラでもしっかりその姿が確認できたようで、初冠雪独り占めはならず。ちょっとガッカリ。
しかも今回の冠雪は、初冠雪を発表している甲府気象台から観測できなかったようで、”初冠雪”とは認定されませんでした。
甲府気象台が判定していることは以前から知っており、こういうケースもありえるのだろうかと考えていましたが、実際にありました。
別の場所からしっかり雪が見えていても、初冠雪に認定されないのです。
ただし一方、富士山の麓にある富士吉田市は、独自に”初雪化粧”として富士山の冠雪を発表したようです。
富士吉田市がこのような発表をしているとは知りませんでした。
朝日新聞DIGITALに初雪化粧に関する記事がありますのでご紹介しておきましょう。
http://www.asahi.com/articles/ASJ9T2Q9GJ9TUZOB001.html
この夏は妙な天気で、暑い日が多く梅雨のように雨の多い異常気象でしたが、
一方で冷え込みがあれば早めの冠雪もあるかなと予想しており、予想は当たりました。
この雪化粧がいつまで見られるかと期待したのですが、なんと翌朝には溶けてしまいガッカリ。
北側や南側では翌朝も雪が見えていたようですが、西側はダメでした。
赤石岳山頂にある避難小屋は9月で閉めてしまうため、なかなか冠雪の富士山を望む機会がありません。
いつかここからどっぷり冠雪した富士山も見てみたいものです。
アップロード日: 2016年10月12日




