2016年4月に撮影した天の川と雲海の光景です。
雲海の発生を読んで撮影に行った夜でした。
これを撮影する2~3年前くらいから、「雲海と天の川のコラボが撮れる」という話も出ていたものの、なかなか撮影機会には恵まれずこのときまで時が過ぎました。
さらにはこの一枚が作品として完成したのは2017年3月で、およそ1年後のこと。
ここまで世に出るのが遅くなってしまったのは、これまで写真の現像処理に納得いっていなかったため。
私の写真現像は、Nikon純正のCapture NX 2をメインとして行っており、
Adobe Lightroomは一応購入していたものの、ほとんど出番がありませんでした。
それが2017年に入り、天の川の写真がフォトコンテストやSNSでも主流になってくると、
自分の天の川の写真や、その現像処理を見直すようになりました。
結論から言うと、「撮ったままの素材をなるべく崩さないように」したまま作品に仕上げることは限りなく困難、と思えたことがキッカケとなり、
あくまで素材は素材、作品は作品と区別する理念が芽生えたところがスタートでした。
Nikon純正ソフトは、撮影した素材にあまり手を加えず自然に仕上げることは得意でしたが、
素材に手を加えて「作品」として仕上げることは非常に苦手なソフトでした。
そこで、Lightroomを導入して思い切った後処理を加えるようにしました。
「撮ったままでなくてもいい」という思想の転換から、ようやく思い切った処理をする方向になり、過去に撮影していたこの一枚も、ようやく納得する仕上がりとなったわけです。
今になって思えば、古くからの写真の文化を遡っても、
フィルム選択により仕上がりを変える、カラーフィルターやPLフィルターにより都合の良い見栄えにする、ハーフNDフィルターにより露出差を抑えるなど、様々な”小細工”がされてきたものです。
それが撮影する前に施すものか、後に施すものかの違いがあるだけで、写真というものは常に「現実とは違う」という事実があったわけです。
過度なデジタル処理を長らく受け入れてこなかった自分のことは反省しなければなりませんが、
この度ようやくその壁を自ら破ったという一歩は褒めてやりたいところです。
とはいっても、明らかに「不自然」に見える写真は好みではありません。
どんなに元画像に手を加えて加工したとしても、その仕上がりが「自然」であることは相変わらず重視していきたいと思っています。
夜景と天の川を同時に撮影した場合は、夜景に対して天の川の輝度が強くなりすぎないよう、注意しています。
アップロード日: 2017年3月12日