8/5 4泊5日南アルプス白峰大縦走[4日目後半・大門沢降下点~白河内岳]

広河内岳から夏の富士山の写真
『 夏雲を纏い 』
Nikon D800E / SMC PENTAX 67 105mm F2.4

今回の旅の計画および全容は、ダイジェスト編をご覧ください。

各日の山行記はコチラ。
初日
2日目
3日目
4日目前半

4日目は0時半から行動を開始した長い一日。

農鳥小屋~農鳥岳へ移動して撮影後、いよいよ「白峰南嶺」へ突入していきます。
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北岳~農鳥岳への比較的定番の縦走コースを終えて、
通常ならここで下山へと向かう大門沢降下点。

この先の上級コース、「白峰南嶺」と言われるエリアへとついに足を踏み入れます。


8時50分、進みだすといきなりハイマツの洗礼。
登山者が少ないところは、こういった藪漕ぎ区間がよく出てきます。
広河内岳登山道のハイマツ

少し登って振り返る農鳥岳、右下が大門沢降下点、鐘やザックも見えます。
広河内岳から望む農鳥岳方面

久々の登り斜面にヒーヒー。
縦走でなければ、大した斜度ではないと思いますが。

一旦開けたところまで登り切ると、塩見岳も見える。ずいぶん近づいてきた。
広河内岳から望む塩見岳

富士山方向。右から斜面が迫る。
広河内岳から望む富士山

標柱見えた!最後の登り。
広河内岳の山頂部

9時19分、到着!山頂標識と塩見岳のツーショット。
広河内岳山頂

わずか30分の登りでしたが、20kgの荷物と縦走4日目で疲労感たっぷり。
白峰南嶺はあまりアップダウンのない稜線のため、救われます。
逆からコースを辿っていたらバテバテになりそうです。

農鳥岳方面。右のちょこんが山頂です。
広河内岳から望む農鳥岳

広河内岳山頂から富士山方面。
ここからの眺めは手前の稜線が特徴的。ここをこのあと歩いて行く。
広河内岳から富士山を望む

ここでちょうど雲が湧き上がってしまいましたが、これも面白い雰囲気の一つ。
デジカメを取り出してしっかり撮影です。
広河内岳から望む富士山

眺めは良いが、ここでのんびりしても仕方なく、進みます。
いよいよ広河内岳より先は「踏み跡薄い」という不明瞭な道。
大門沢降下点~広河内岳の間に2名の登山者とすれ違いましたが、この先はほとんどいないでしょう。

9時32分、出発の撮影。
広河内岳を種発

迫力の農鳥岳にも別れを告げる。
広河内岳から望む農鳥岳

広河内岳から南へ続く稜線はそこで途切れている。
稜線は分岐し、ルートは南側。
広河内岳付近の山並み

ところでここで道迷い!
地図に「迷」のマークがついていましたが、例によって迷い込んだようです。
突然踏み跡が薄くなった登山道にまだ頭が慣れていなかったか。

地図には「池ノ沢コースに入らないように」とあるが、しっかりそのルートに迷い込んだ模様。
昔、登山道があったところで、わずかに踏み跡が残っているため間違える。

しかし、目指す水場はこの池ノ沢コースの先にあるため、あながち間違いとも言い切れない。
問題はザックをどこにデポするかというだけの話。
重い荷物を持って登り返したくないため、なるべく高い地点にザックをデポするのが当然。

それにしても本当に急に道がなくなってしまい、どこを歩いていいやら迷走。
岩場とハイマツが交互にやってくる。
岩場を辿っていくが、ハイマツに取り囲まれてしまい進めなくなる。

そもそもどこにもハッキリした道などない!
道がないと体力、思考力を奪われます。

水を取りに行くため、「下りすぎないように」を意識してトラバース気味に道無き道を歩く。

ようやく、登り返す目処が立ちそうな地点に出る。下に蟻地獄のような沢が見える。
広河内岳直下、池ノ沢コース

戻るべき稜線を見上げる。
これくらいの登り返しなら、仕方ないだろう。
広河内岳直下、池ノ沢コースから稜線を見上げる

ここから、緊張の水場へと向かうことにする。
地図にない道、いろいろな恐怖心がある。

岩場にザックを散らかして、サブザックを取り出す。
残り1L程度となった水は行動用、全3L分のペットボトルをサブザックに入れていざ水場。
出発は10時ちょうど頃。

蟻地獄に吸い込まれるようにして、沢状の地形を下っていく。
道らしい道はなく、感覚で歩きやすそうなところを行く。

おっと、ここで重要なもの、「タオル」を置いてきてしまったことに気付く。

水場では顔や体を洗ったりするため、重要なアイテムだが。
しかしもう登り返す気力がなかった…水が取れるだけでも有り難い、贅沢言えない。

しかも、タオルを取りに戻って、いざ水場が見つからなかったらどうする。
こんな道無き道を行ったり来たりするのは御免だ。
仕方ない…

見上げると広河内岳か。あっという間に標高は下がる。
池ノ沢コースから見上げる広河内岳

しかし地図にないとはいえ、さすがは旧登山道。
ケルンを発見して少し安心。
池ノ沢コースのケルン

ペンキもあった。
池ノ沢コースのペンキ

道らしい道は本当にない。しかし「ここを人は歩いたのかな?」というようなルートがなんとなく感じられる程度。
ルートらしきところは大きな石がどかされたのか、少し石が小ぶりで心なしか歩きやすいような感じ。

ついに岩場が終わると周囲は草木に覆われたゾーン。
池ノ沢コースの水場へ

ついに行き止まった。ここがハイマツの突破口。普通に見たらここに道があるとは思わない。
池ノ沢コース水場への入り口
岩場をできる限り下まで歩いて行けば、ここに辿り着く。

ちなみに地図上でどこになるか示しておこう。
GPSは便利です。
池ノ沢コース水場の入り口

ここから先は、うわさ通りの「ハイマツ漕ぎ」が待っていた!

両サイドから屈強なハイマツがしっかり伸びきっており、かき分けて進みます。
ウエアはある程度丈夫じゃないと破れるかもしれません。

完全に覆われていますが、下に道はあります。
足場はOKですが、弾力性がありしなやかかつ強力なハイマツが襲いかかってきます。
ハイマツ漕ぎへと続く道

身長が低い人のほうが影響を受けにくいかと。
コツは、無理に勢いで突破しようとせず、ハイマツのなるべく太い幹、メインとなる枝の根本を掴んでどかすこと。
細い枝をどけても他の枝に引っかかりますが、根本からどかせば道が開ける。

いやあそれにしても水を得るって、大変ですね…

ハイマツを突破すると急に開けたりするのですが、開けてはハイマツ、開けてはハイマツを繰り返します。
場所によってテープなどが残されています。
池ノ沢コースの赤テープ

ハイマツ帯の入り口・出口付近にはこのようなケルンがあり、これを見て温かい気持ちになります。
手がかりのない山道では心細く、ここに人の優しさやぬくもりを感じます。
池ノ沢コースのケルン
私もケルンを追加で積み上げて、この後の登山者のためになればと願いました。

度々襲ってくるハイマツ帯、ついには道がよくわからなくなり、道ではなかろうところも突破。
あまり変なところを突破してしまうと帰りが心配だが、だいぶイライラしてきた。
ハイマツを抜けると道は続いていたので大丈夫だろう。

なおも進むと、ついに水の音が聞こえた!
ネットで調べていたとおり、左側の斜面から水が出ています!!
池ノ沢コースの水場の斜面

水場到着は10時38分のこと。
ハイマツ漕ぎにある程度苦戦しましたが、約40分での到着は早いのか遅いのか。

とにかく今は水が嬉しい!
この水が見つからなければ、水不足の中で登り返し、無念の下山となるところだった。
正直、この水場の発見はどの山の山頂へ登頂した時よりも感動!
申し訳ないけど、絶景の富士山を見たときよりも感動である。

水というのは人間の命の根源であるのです。
水の大切さが心に染みて分かったのでした。

そしてここまでわずかに残っていた農鳥小屋の”塩素水”を即座に捨てて、新鮮な水へ切り替えます!

岩場の斜面をジョロジョロと流れる水。
岩を這うように流れているのでなかなか汲みポイントが少ないが、広いので探せばあります。
池ノ沢コースの水場

いただきますっ!
池ノ沢コースの水を給水

とにかくその水はウマイ!
暑さで乾き、登山に疲れ、塩素に毒された体に(笑)
とても冷たくて新鮮な湧き水です。

ペットボトルが汗をかくのは、水が冷たい証です!ああ、なんて癒やされる映像。
池ノ沢コースの水場で水を給水
※「南アルプスの天然水」じゃなくてすみません。

水場はこのようなコケに覆われた斜面になっています。
池ノ沢コース水場の斜面

踏み跡をそのまま進むと斜面の下流にぶつかりますが、
斜面を1分ほど登れば最上流。
見渡すとそれより上には水の気配はなく、本当に「ここが水源」という位置です。
池ノ沢コースの水場水源

こんな湧きたての水が飲めるなんて幸せです!とにかくウマイ!
上流に移動して3L分のペットボトルを完全補給します。
池ノ沢コースの水場で給水

そうそう、水場の位置も地図上でどうぞ。
GPS情報によれば標高2505m付近で、事前情報による2400m付近よりは高いようですね。
池ノ沢コース水場のGPS位置

さて念願の水にもありつく事ができ、水分補給してまた稜線へ戻ろうと。

ここで事件が発生!!

ないよ!
トレッキングポールの先端を紛失

トレッキングポールの先端部が失くなっていたのです。
参りました。

はてどこで失くしたか。
とにかく今の今まで気付かなかった。
ひとまず水場周辺をアップダウンし、探してみる。
地味に疲労するも、見つからず。

そりゃ、こんな何もないところで落とさないだろう…。

少し登山道を戻ってみるも、落ちてはいない。

となると、ここへ来る道中のどこか。
それにしてもなぜ気づかなかったか。
そもそもハイマツ漕ぎゾーンにトレッキングポールなど不要だったか…。

トレッキングポール一部紛失という、非常に地味なダメージ。
残された部分だけでなんとか使えるだろうか。
それとも1本だけでこの後の行程を進むことになるのか。

地味ながら、イヤ~な感じの雰囲気が漂います。

付近を探してないとなると、ハイマツ漕ぎゾーンでの紛失が濃厚か。
帰り道はもちろん探しながら行くが、見つからなければしょうがないか…。

これから再びのハイマツ漕ぎ、300mの登り返しがあるというタイミングで、なんというショッキングな出来事…。

しょんぼりと出発。
なんと水場周辺でくつろぎ過ぎたようで、もう11時半を回っていた。
水場滞在1時間。

出発して最初のハイマツゾーン。

このハイマツゾーンは道を外れて強行突破したため、正規ルートがよくわからないでいる。
そして無理して漕いできたぶん、ここでトレッキングポールが分解した可能性は高いかもしれない。

早速、入り口がわからなくなりハイマツの藪で迷子。
道のないところを無理やり突破しようとしたが、水平に伸びるごん太のハイマツに阻まれて突破不能。
ハイマツは恐ろしい。
人間の進路も断ってしまう。

一旦引き返してなんとか通れそうなところを見つけて、突破した。

しかし、トレッキングポールの紛失は、ここのハイマツ帯でやった可能性がどうも高いと判断。
改めて、往路で通ったと思われるあたりをもう一度突破してポール探しをすることにした。
ハイマツが縦横無尽に張り巡らされた迷路へ突っ込む。

なんとも地味で情けない作業であるが、トレッキングポールを新しく買おうと思ったら6000円くらいする。
見つかれば6000円のアルバイトと思えば、探すほうがお得な気がして頑張った。

すると、予想通り!ハイマツ帯の出口部分にコロンとポールの先端が落ちていました!
わかりづらい隙間などでなく、地面に転がっていて良かった…。

無事に発見されたトレッキングポールの先端。
そこに本来あるべきものが戻ってくる幸せ。
無事に発見されたトレッキングポールの先端
抜けたポールを再度組み立てることも無事にできて、トレッキングポールは復活しました。
これで買い直す手間も、これから先の道中の心配もなくなった。
ほっと一安心。

ただ、これから再びハイマツ漕ぎ&登り返しですよ。
気を引き締めて。

来るときは、辿り着けるかもわからず不安だったが、帰りは来た道を戻るのみ。

写真を撮りつつしっかりと戻ろう!と思ったのだがまさかの事態に。

気付いたら、ちょっと雰囲気が違うんですよ。
踏み跡はあり、辿ってきたつもり。

ところが、なんか違う斜面にいない?

そう、道を間違えました!!

GPSで現在位置を確かめると、全然違う斜面に入っていた。
広河内岳に向かって右の沢へ行くはずが、広河内岳へ直登するようなルートを辿っていました。
こちらにも踏み跡があったのがまた厄介。

どこで道を間違えたかもよく分からず、「チクショー」と言いながら戻っていく。

しかし、どこへ行っても道は不明瞭!
「ここが正解」という道がイマイチ分からないまま、GPSと2時間前の記憶が頼り。

どうやら、ほぼ来た道に復帰できたようなのだが、最後のハイマツが抜けられない。

すぐ先に岩場が見えていて、そちらに出たい。
しかしハイマツが行く手を阻む。
道はどこだ?

うろうろしてもハイマツに取り囲まれて行き場がない。

こうなったら強行突破!
ハイマツの根に乗り、道ではないハイマツの藪を無理やりかき分ける。

歩きづらいというレベルではない。
ヘタしたら「進めない」というレベルのハイマツ迷路。
がんじがらめです。

硬ければ上に乗れるし、柔らかければかき分けたり踏み潰せる。
しかしハイマツの「適度な柔軟性」は非常に厄介で、人間を行動不能にしてしまう。
恐るべきハイマツ。

ハイマツにイライラしながらもなんとか強行突破して岩場に出ることができた…。

しかしこれで一安心、としないところが私のしつこいところ。

もう一度、正規ルートでハイマツに突入して道をしっかりと確認することにした。
どこで間違えたのか?また、次に来たときのためにも。

改めてハイマツを漕ぎ、抜けたところから入り口を見返した。
その様子がコチラ。
池ノ沢コースのハイマツ漕ぎ入り口

実は先ほど、この目の前を通っていた。
でも気付かなかった入り口。
よく見ると赤テープがしてあった。

もう、道に見えないのです。
厄介極まりない。

もうこれは、完全に上級者コースです。

間違っても夜間は無理。遭難必至です。
またガスっているときもかなり不安でしょう。

わかりづらいトレース、脱出できないハイマツ迷路。
いやあ、非常に苦戦しました。

そして改めて最後のハイマツを出ると、岩場に戻って。
この間に上空はすっかりガスってしまい、雨の予感も。
さあこの斜面を登り返し。
池ノ沢コースからの登り返し

これが岩場の道。
なんとなーく、道が見えますか?
池ノ沢コースの岩場ルート

先ほどのハイマツに比べれば、岩場の登りなど楽勝!
ついにザックデポ地点まで戻りました。
ザックデポ地点に戻る

なんとこのとき、13時2分…!

トレッキングポールの紛失、ルート間違い、ハイマツ入り口確認などいろいろあったにせよ、
水場を出発してから1時間半、そしてこの場所を出発してから往復ちょうど3時間です。

大げさですが「水場往復3時間」ということに。
なんてこった。これだけで、大冒険だった…。
ちょっと疲れすぎて黄色信号です。

それでも満たされた喉の渇き。
補充した3Lの新鮮な水。これは嬉しい。

改めて、ここから気を取り直して出発できそう。
タオルを忘れて、体を拭いたりできなかったのは心残りではあるが…。

また、トレッキングポールは復旧してよかった。
余計な心配がなくなった。

そして、簡易的な作りのサブザックは、あのハイマツ漕ぎの中でも
破れたり壊れたりすることなく無傷の状態だった。
さすがモンベル、サブザックだからといって安物にしなくて良かった。


ザックデポ地点から稜線までのルートも道がなく、少々苦労しました。
小さなハイマツの上を歩いて横切らなくてはならない箇所も。

稜線上から直接水場ルートへ向かうにしても、なにかと苦労がありそうです。

稜線上底部から見上げる広河内岳。
直下から見上げる広河内岳

ようやく気を取り直して歩き始めます。時間的に余裕がないわけでもない。
次に向かうは、近いのか遠いのかよくわからない「大籠岳(おおこもりだけ)」というピーク。

今回の参考では北岳周辺のルートマップを参照していましたが、
こちらには詳細なコースタイムが書かれていません。
しかし実は赤石岳周辺のルートマップには、詳細コースタイムの記載あり!
これに気付かず歩き続けてしまったのは今回の反省であります。

少し登って再び広河内岳方面。
どこを歩くのが正解だったのかよくわからないような道です。
広河内岳の斜面

もう少し登って広河内岳。
最上部はポコっとした部分ではなく、その上でした。
広河内岳の斜面
岩とハイマツが混在する複雑な斜面ですね。
眺めるぶんには美しい山容です。

進む稜線はこんな感じ。
岩場で、左(東側)が激しく切れ落ちているが、植生は稜線までしっかりあるという感じ。
広河内岳~大籠岳の稜線

ここからは細かいアップダウン。
水場事件で疲労もかなり溜まっており、もう道に身を委ねてタラタラと進むのみ。
大籠岳へと続く稜線

テント幕営跡がときどき見られる。
この辺りは山小屋がなく、歩く場合は「こうするしかない」のが現状である。
本来は指定地以外は幕営禁止となりますが、このエリアは黙認ということでしょう。
大籠岳付近のテント跡地

踏み跡は確かに不明瞭で、岩場の地帯ははっきりした道がない。
ただしハイマツ帯などはしっかり切り開かれており、道ができています。
大籠岳付近の登山道
この辺りは「不安」ではあるものの、迷うようなことはなさそうです。

ヘトヘトになりながら、気付けば大籠岳に到着。
14時26分のこと。
大籠岳の標柱
なかなか綺麗な標柱で、割りと最近設置されたとの話を聞きます。

もうすぐ15時が迫っている。
写真を見てお分かりでしょうが、雲行きが怪しいのです。
これはいつ降り出してもおかしくない。

ただ残念なことに、この辺りは稜線より西側に道がついていて、
東側の富士山の展望が微妙な箇所が多い。

撮影目的としては、無理してでも富士山の見えるところがいいじゃないの。
白河内岳まで行けば、割りと大きく開けていて、撮影ポイントとしては良さそう。
しかし幕営可能地点があるかは不明。

インターネットで調べた限り、登山道に幕営地が点在しているとの情報はあったが、
具体的にどこにどれだけ、という詳細は分からず手探りとなってしまいます。
ここに来て上級者コースの厳しさを思い知る。

早めに幕営したいが、できるだけ眺めの良いところ。
なるべく広くて平らなところが良いが、どこがベストか。

撮影目的があるので一般のハイカーとは異なる選択を求められます。
幕営地から撮影地まで遠いとなると、早めの撤収などが必要となる。

あまり考えていませんでしたが、結構重要な問題です。

今にも降り出しそうな空を見上げながら、少し早足で進むことにします。
白河内岳山頂までなんとか行ければ。
水場周辺での疲労も響いてグッタリ気味に進みます。

大籠岳から来た道を振り返る。
向こうは広河内岳。
大籠岳から望む広河内岳

ここでひとつ気になっていたポイント。
どうも、白河内岳のあたりは赤茶色をしているなぁと。
そして、その手前は白!
その境目はここ、大籠岳のすぐ南側でした。
大籠岳南側の稜線
白い地面と赤茶色の地面の境界。
なんとも不思議だと思いませんか?

ここから地質が異なるのでしょう。
白峰三山が「白峰」と呼ばれる理由はこれだったのでしょうか。

それにしても白い地質の側にあるのが「広河内岳」。
この先の赤茶色の地質にある、だだっ広い山頂が「白河内岳」。
名前、逆じゃないですかね?(笑)

まあそんなことを言ってもどうしようもないですね、ハイ。

大籠岳から少し進むと、東側に突き出た岩場もあり、富士山の展望はありそうな気がします。
ただ、現在は完全に曇り。
大籠岳付近の岩場

足元を見ると、すっかり赤茶色(黄色っぽい?)に色を変えた山肌。
大籠岳付近の登山道

大籠岳方面を振り返ると、逆に赤茶色から白色へと変わる山肌。
大籠岳付近の登山道

するとついに、恐れていた雨が降り出してしまいました…!

時間は15時過ぎ。
そりゃそうだ。夏のこの時間となれば仕方がないです。

精神的には堪えますが、雨で計画が崩れるようではいけません。
レインウエアをまとい、ザック購入後2回目にして早くもザックカバーの活躍。

できれば雨は止んで欲しいとの思いの中、幕営地を探して進みます。
白河内岳まではあと30分程度か。

残念ながら雨は次第に強さを増し、さらに精神的にしんどくなります。
歩くだけならともかく、この状況での幕営は非常に嫌ですね。

テントの中に入ってしまえば開放される。
その思いで動く。

すると、白河内岳手前の2776mピークを超えたところに、幕営「できるかもしれない」スペースを発見。
曇っているが、おそらく富士山方向の展望あり!

焦る気持ちが先立って、その微妙なスペースを急いで整地。
石をどかし、土をやや平らにならしました。
本当は、あまり山に手を加えたくはなかったのですが…。

しかもこの辺りは地質が変わったせいで、砂から土に変わってしまったよう。
雨に濡れた土はいわゆる「泥」です。
石をつかんだ軍手は泥だらけ。

そして雨の中で幕営作業に入ります。
ザックを岩に立てかけていたところ、バランスを崩してザックが転倒!

ザックは雨に濡れた土の斜面に倒れこみ、泥がついてしまった。
まったく、ツイていない展開である…。
泥がついたザックはタオルで吹く程度しかできない。
そして泥を拭いたタオルは洗うこともできない。これが山です。しんどい。

雨の中で必至の幕営を行ううち、雨は弱まったりして。
天気の動きなど読めないものの、雨が弱まっている隙を狙うというのも一つ手かもしれませんね。

なんとかテント内に潜り込んだのは16時頃。
はあ、お疲れ様でした。
テント内の様子

疲れました。

思えば起床は23時半でした。
0時半から歩き始めました。

水場の往復ではトラブルも多発して、非常に疲れ。
およそ16時間におよぶ行動時間。ちょっと長すぎたかな。
うち5時間は農鳥岳山頂にいたとしても…。

グッタリ。
全行程の中でもっともしんどい一日となりました。

雷、雨の音が聞こえる中、日暮れを待たずして一日を終えることとなりました。

今日は広河内岳へ向かう途中に2人ほどすれ違ったのみで、
広河内岳からは誰一人の姿を見かけることもありませんでした。
完全に山の中に一人。


雨の中で一日が終わると思いきや、雨は意外とすぐに上がりました。
あたりが明るくなって目を覚ますと、すっかり雨は上がった様子。

テントから外を覗くと虹が出ていた!
北岳では写真に撮らなかった虹ですが、今回は撮影。
16時32分。
南アルプス白河内岳付近から望む虹

この向こうに富士山が見えてもおかしくない位置ですが、
やはり富士山は見えなかった。
「虹と富士山」を撮るのは至難の業です。

再び疲労のまま睡眠へ。

今度は日没も近づく17時50分。
日没側からの光線が東の空に届いて。
思いのほかスッキリ!富士山も見えています。
白河内岳から雲海と富士山

さらに日没に掛けては夕焼けが東の空に映し出されます。
このタイミングではデジカメも出して撮影。
ビーナスベルト、反薄明光線、なんというかよくわからないような順光側の夕暮れの空です。
18時53分。
白河内岳付近から望む夕景と富士山

富士山のヌケは悪かった。
雲海が出ていたのはちょっと面白いけど、山頂にも雲が付いているようだし。

やはヌケが良くないと作品にはなりづらいですね。

無事に富士山が見える幕営地も確保できたことだし、今夜も富士山を見ながら夜を過ごせそう。

非常に長くて長くて大変だった1日、お疲れ様でした!


最終日、5日目の山行記へ続きます。
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この日の撮影記

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