Wi-Fi機能搭載のSDカード"Eye-Fi"を導入~具体的な使い方と注意点~

当サイトのブログも、なるべく多方面にわたり記事を書いていこうと思います。

今回は「カメラ」カテゴリーを新設して、最初の記事となります。


Eye-Fiを導入してみる

Eye-Fi SDカード 8GB

今回はWi-Fi機能搭載のSDカード"Eye-Fi(アイファイ)"について書いてみたいと思います。
2ヶ月ほど前から導入し、ときどき使用しています。

公式ホームページはこちら。
http://jp.eyefi.com/products/mobi

デジタルカメラのWi-Fi機能

そもそも「Wi-Fi機能搭載のSDカード」ということですが、昨今のIT技術はというのはすごいもので、
あの小さくて薄っぺらいSDカードの中にネットワーク通信機能が入ってしまっているということです。

この中に通信機能が?と思うと今でも不思議に思いますが、そういうものが存在しているのです。

これを使うと何ができるのかというと、
「デジカメで撮ったばかりの写真をパソコンやスマートフォンにワイヤレスで転送できる」ということです。

なかなか驚きの機能ですが、実は最近のデジカメにはそのような機能が搭載されるようになりました。

キヤノンが比較的早くからWi-Fi機能を搭載していたのに比べ、ニコンの一眼レフは後れを取っており
最新のD750(2014年9月発売)でようやくWi-Fi機能を内蔵しました。

それ以前の機種を使っている場合はWi-Fiによる転送機能が使えず、
もし同じことをしたい場合は今回取り上げる"Eye-Fi"のようなSDカードを使うしかありません。

私が使っているカメラはNikon D800E(2012年発売)で、当然そのような転送機能がありません。

しばらくは「デジカメで撮影した画像は家に持ち帰ってからじっくり取り扱う」のが当然の流れだと思っていたのですが、
近年のSNS(Twitterなど)の普及の影響により、「その日に撮った写真をすぐに公開したい」という考えも出てきます。

さらには、私のように何日も車中泊で撮影をこなし家に帰れない場合などは、帰るまで作品を発表できないことになってしまいます。
SNSにおいては「鮮度が命」というところもありますので、この状況を打破するためにEye-Fiを導入することになったのです。


実はこのEye-Fiですが、何年か前に興味本位で購入し、使っていたことがあります。
その頃はTwitterなどもやっておらず、どんなもんかという実験的な使用でしたが、
ポケットに入れて持ち歩いてたところ紛失してしまい、それっきりとなっていました(^_^;)

Eye-Fi SDカードの購入に至る

さて今回は改めてこのEye-Fiを購入しようと思い立ったわけですが、初代Eye-Fiを失くしてから数年の月日が経ち、
新たな製品も発売されてラインナップが増えているではありませんか。

さっそくどれを買っていいか混乱してしまいましたが、結局買ったのはこちらの「Eye-Fi Mobi 8GB」です。


「8GB」というと最近のデジタルカメラの性能からするとかなり少ないと思われるでしょうが、これにはワケがあります。

Eye-Fiのラインナップからの選択

そもそもこのEye-Fiの購入にあたっては、ラインナップがいくつかあり混乱します。

公式サイトの比較表もひとつ参考にしました。
http://jp.eyefi.com/products

また価格.comなどを見ると同じ「Eye-Fi Mobi」でも古い型のものもあり、また「Eye-Fi Connect」などという商品もあります。
古い型の商品はもう生産を終了しているらしく、まさにパニック状態。
何が何なのかサッパリわかりません。


ひとまず古い型のものを取り除いて考えると、32GBの「Eye-Fi Mobi Pro」または4GB~32GBの「Eye-Fi Mobi」に絞られるようです。

"Pro"とつくものについて何が特徴なのかと調べてみると、ポイントは「RAW画像の転送」と「選択転送」であることがわかりました。


そもそも、購入する前の段階ではこのEye-Fi SDカードがどのように動作するのかなかなか理解できずにいました。

ネットで調べてわかったことは、基本的には「撮った写真は全て転送される」ということでした。
ちょっとそれは。。

このあたりはなかなか明記されておらず、ある意味「当然の仕様」と考えられるのかもしれませんが、
私の場合は撮影に際してはかなりの枚数を撮るため、それを全て転送するとなるとちょっと心配です。
1回の撮影で数百枚の撮影となる場合もありますし、電池消耗やデータ容量の面で不安があります。

そうなると、「画像を選択して転送できる」という"Pro"のバージョンを購入するのが妥当でしょう。
しかし選択肢が32GBしかなく、値段も1万円近くなり高額になってきます。


このProバージョンは、カメラの「画像を保護」する機能に連動して「選択された」とみなし、その画像を転送するようです。


しかし私の用途ではスマホにRAW画像を転送してもどうしようもないし、約1万円も出すのはもったいない…

そこである工夫をひらめいて、「画像を全て転送する」仕様の通常バージョン、しかも8GBを購入することにしました。

Eye-Fiカードを工夫して使う

さてこの8GBの使い方ですが、結論からいうと「ダブルスロットによる画像のコピー」機能を使います。

私のメインカメラNikon D800Eでは、CFカードとSDカードのダブルスロットとなります。
これがミソ。少なくともダブルスロットであり、一方にSDカードが挿せる場合はこれから説明する使い方が可能です。

私の使い方は、まずCFカードのシングルにて通常撮影を行い、
スマートフォンに転送したい画像について、副スロットのSDカードにEye-Fiを差し込んで、画像のコピーを行います。
(これはカメラの機能で可能。)

するとコピーされた画像のみ、スマートフォンに転送されてきます。

これならば必要最低限の画像だけですので、8GBでも十分足ります。
また、仮に容量が足らなくなることがあれば転送後にカードをフォーマットしてしまえば良いです。(これもカメラ操作で可能)

よって、より少ない容量(安い)で「選択転送」を可能としました!

我ながらベストプラクティスだったと思います。

選択転送をしたいけど、"Pro"のバージョンは高いなあ、とお考えの方にはオススメです。
ただし、カメラがダブルスロットである必要があります。


他の使い方をしている方もいるようでした。

ダブルスロットの一方(通常カード)にRAW,もう一方(Eye-Fiカード)にJpegを保存する設定としておき、
通常はRAWのみ記録で撮影しますが、転送したい写真の撮影の際にRAW+Jpegを撮影するというもの。

こちらも見事な使い方だと思いますが、
設定の切り替えがやや面倒になること(切り替えを忘れることも含む)と、撮影前に設定しなければならないのが大変ですね。


この使い方をするのであれば、もっとアナログ的に「転送したい時だけカードを差し替える」でも良い気がします。。

Eye-Fiの実際のセッティングと転送

「デジカメの写真がスマホに転送される」と一言でいっても、
実際にどんな手順があり、具体的にどうすると、どうやって、どれくらいの時間で転送されるのか?
などなどいろいろ疑問が湧いてきてしまいました…

ネットを調べても細かく書いている人はおらず、「買って試すしかない!」との結論に至りました。

私の環境は以下のとおり。
・Eye-Fiカード:Eye-Fi Mobi 8GB
・カメラ:Nikon D800E
・転送先:スマートフォン iPhone5C

Eye-Fiカードはリニューアルを重ねるごとに設定が簡略化されているらしく、
セッティングにパソコンは不要です。

Eye-Fi SDカードとメンバーシップカード
まずはパッケージからカードを取り出しますが、メンバーシップカードというものが一緒に入っています。
この裏に「アクティベーションコード」という10桁の英数字が記入されており、これをあとで使います。
Eye-Fiメンバーシップカードの裏面
裏面に利用手順が書いてあるのは親切ですね。テキパキと作業できます。


お次は転送先となるiPhoneの設定を。
カードからの転送を行うためにはアプリが必要。

AppStoreから「Eye-Fi」と入れて検索してみるとさっそく2つのアプリが登場して混乱しますが、
「Eye-Fi」ではなく2番目に出てくる「Eyefi Mobi」というアプリが最新版で正解。ややこしいです。
Eye-Fiアプリを検索

ダウンロード&インストール後、アプリを起動するとまずアクティベーションコードを入力して初期設定をすることとなります。
Eye-Fiアプリの起動画面
Eye-Fiアプリの画面
Eye-Fiアプリのアクティベーションコード入力画面

さらにWi-Fiプロファイルのダウンロード画面に飛ばされて承認を求められます。
なにやら通信に必要とのことで、手順に従いプロファイルをインストールします。
Eye-Fi用プロファイルインストール画面
Wi-Fiアプリの設定画面

画面表示に従い、iOSの設定画面からインストールしたWi-Fiプロファイルを選択します。
これで設定が完了!もう転送できる状態です。

パッケージの開封からここまでの所要時間は15分もあれば足りるでしょう。


さっそくカメラにEye-Fiカードを挿しこみ、1枚シャッターを切ってみます。
(電源をONにしたまま放置)

そしてスマホのほうでEyefi mobiアプリを覗いてみると、早速写真が転送されてきました。
思ったよりサクッと動作して早い!転送にかかる時間は10~20秒ほどでしょうか。
Eye-Fiアプリの転送中画面

転送が完了すると、写真が一覧に表示されます。
Eye-Fiアプリの写真一覧画面

この写真はEyefiアプリ内部でのみ見ることができる状態になっており、
カメラロールから見るためには画像を選択して「画像を保存」という操作を行う必要があります。
(アプリ内から直接Twitterやメールと連携することも可能。)


数年前に持っていた旧バージョンでは、なかなか転送されてこなかったり、動作が不安定だった記憶があります。
最新版はそのようなことはないようですね。

ちなみに事前調査で懸念していたのですが、転送のたびにWi-Fiプロファイルの切り替えをする必要はありませんでした。
初期設定時のみプロファイルを選択すれば良く、以後は他のWi-Fiを選択していても転送可能です。

もうちょっとややこしかったり、つまづくこともあるかと思いましたが、思ったより簡単にできました。

注意点

私が使ってみて気がついた限りで、2つの注意点がありますので書き留めておきます。
注意点1 画像は長辺1280pxにリサイズされる

この点については購入前から気になっていましたが、結局購入するまで判明しないことでした。
単に「スマホに転送される」と言えばオリジナルサイズになるのかな?とも考えられますが、
D800Eの画像は最大で長辺7000pxを超える巨大なもの。

そんなものがスマホにバンバン転送されてきたら容量も圧迫しますし恐ろしいですよね…。

結果的には1280pxという「ちょうどいい」サイズに自動的に変換されることがわかりました。
しかしリサイズについての仕様の明記はなく、オリジナルサイズやその他のサイズを指定することもできません。

あとになりこちらのページを見つけましたが、
画像は、配信する端末にあわせて長辺2,048px、1,280px、640pxのいずれかにリサイズ(縮小)される。
とのことです。

ということで私のiPhone5Cの場合は、強制的に長辺1280pxとなります。
あとに発売されたiPhone6やタブレット端末であれば2048pxなどになるのかもしれません。

通常用途では問題はないと思われますが、オリジナルサイズで使用したいという場合はご注意ください。
このあたりをアプリで設定できないのは非常に不親切な作りだなあと思います。

※RAWデータや動画データについてはどうなるのか未確認です。m(__)m

注意点2 設定を変えないとストレージ容量を圧迫

上記の注意点1よりこちらのほうが多くのユーザにとって大問題だと思われます。
(私の環境下のみで起こる可能性もありますが、同じ症状の方がいたらご参考に!)

何が起きたかといいますと、「Eyefiアプリがカメラロールの写真をひたすらコピーし、ストレージ容量を圧迫する」というものです。

Eyefiアプリを使い始めてしばらくすると、iPhoneのストレージ容量が一気に少なくなり容量不足に陥ってしまいました。
はて何が起きたか?と思いストレージの管理からアプリ毎の使用容量を確認したところ、
Eyefiアプリが「数GB」の容量を占めているではありませんか。
そんなに写真を撮った(転送した)覚えはない!しかも転送される写真は小さくリサイズされており、そんなにデータ量を食うはずがない。

ではなぜ急にデータ容量を食い始めたのかというと、Eyefiくんはカメラロールの写真を次々と自分のアプリ内にコピーしているのでした。
最初は「単に表示しているだけ」だと思っていたのですが、読み込む度にデータ量が増えているため、「コピー」しているようです。
しかもアプリを起動しておくと、次々と写真を読み込んでいき、きっと全て読み込み終わるまで止まりません。

まずこれを停止させるために、「取込み設定」から「取込みを許可」のスイッチを切らなければなりません。
(設定画面へ行くには左上の三本線をタップ→eyefiロゴの右側にある歯車のマークをタップ)
Eye-Fiアプリの設定画面

説明によると「カメラロールから、本日以降の写真の取込みを許可または停止します」と書かれています。
やめてください。何のための機能でしょうか。

Eye-Fiのクラウドを使用する場合のための一括管理なのかもしれませんが、
スマホ内でこんなことをされても困りますね。

Eyefiアプリ内では、カメラロールの写真とデジカメの写真が一緒になり時系列で見られるのでちょっと面白いかなと思いましたが、
そもそもカメラロールの写真をEyefiアプリ内で見る必要はなく、デジカメ写真を混ざってしまうのでありがた迷惑です。
アプリ導入後は、まず最初に上記設定を変更することをオススメします。

さて、実はもう一つの問題もありましたので書いておきます。

Eyefiアプリ内にコピーされた写真をためしに削除してみると、カメラロール本体の写真には影響がないことが確認できたため、
データ容量を回復するためにデータを削除していたのですが、データ容量が回復されないことがわかりました!

何かの間違いか?と思いEyefiアプリ内の写真を全て削除(!)しましたが、ストレージ容量を「数GB」占領したままとなっていました。
大変な困ったちゃんです。写真が1枚も入っていないのにデータ容量を返してくれないのです。

こちらの問題は、アプリを一旦削除して再導入することで解決しました。
再インストールの際は、上記の設定ももう一度行う必要がありますのでお気をつけ下さい。

また、この問題が改善されない限りは、
「転送された写真を削除してもストレージ容量が回復されない」ということを意味しますので、
設定を変更したとしても、多くの写真を転送した(そして削除する)場合に問題が出てくることになります。
アプリのアップデートでこの問題が解決されることを願います…


というわけで、細かい作りがまだイマイチでときどき迷惑なEye-Fiではありますが、
上手に付き合うことで便利なツールとなります。

まだWi-Fi機能のついていないデジカメをお使いの方は、試してみる価値アリかもしれません。



様々な使い方が考えられるとは思いますが、私のような使い方であれば8GBで十分でしょう。

より簡単な手順でサクッと選択転送を行いたい場合は「Pro」の選択肢もありでしょうね。

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