新道峠 FUJIYAMAツインテラス࿸ファーストテラス࿹からの富の写真̌̎新道峠 FUJIYAMAツインテラス̏ - 河口湖・御坂周辺山エリア࿸山梨ݼ࿹̍

『 新道峠 FUJIYAMAツインテラス 』

★★★★☆

2021年7月31日に新しくオープンしたFUJIYAMAツインテラス(ファーストテラス)からの撮影です。
2020年11月30日にオープンの予定が延期となり、2019年から長期間に渡り立ち入りできない状態だったと記憶しています。

今回はオープン後、初めて夜明けの富士山の撮影ができました。

新道峠は、富士山を正面に望む絶景ビュースポットであり、林道に「日本一富士山の眺望」と看板が設置されていたのが懐かしいです。
冬季を除き、標高1500m以上まで車で上ることができ、手軽に絶景を味わえるビューポイントでした。

私も10年ほど前に富士山撮影を始めた頃に知り、何度も撮影に訪れていました。

当初から”雲海”や”山からの眺め”が素晴らしいと感じていた私にとって、この場所がいずれ有名になり人気が出てくることは予想できており、あまり人には知られたくない場所であるとは思っていました。

おそらく2017年前後から、インスタグラムの影響等もあり人気に火が付き、深夜に「天の川」を狙うカメラマンでごった返すようになりました。
狭い駐車場(正しくは旋回所)が満車になり、路肩のスペースに車が溢れるのも何度も見ました。

そしていよいよ2018年頃に展望台設置の工事が発表されて、2021年にオープンとなりました。

当初から嫌な予感しかなかったのですが、最終的に駐車スペースの確保が難しいため、登山口近くまで車で通れる林道を「通年閉鎖」とし、マイクロバスで送迎する運びとなったようです。

これも予想通りですが、深夜や夜明け前に送迎バスが運行するはずはなく、始発のバスでも新道峠に到着はAM9時35分。
絶景の夜明けはおろか、雲海が出ていたとしても朝陽に溶けて消えている時間です。
特に夏場は気温上昇とともに雲が湧いて、富士山がスッキリと望める確率は低いです。

バスを利用する場合、展望可能な期間と時間は、およそ4月~11月のAM10時~16時頃となり、残念ながら富士山を望むベストな季節・時間を見事に外していると言わざるを得ません。

以前より、冬季閉鎖期間中は林道を歩いて展望地まで行くカメラマンは居ましたが、今後は一年を通してその扱いとなります。

登山ができる人であれば三ッ峠山などの眺望の良い山は周辺にありますが、車で1500m以上まで上がれる山は周辺に存在しないため、唯一の貴重な撮影資源を失ってしまったことになります。
カメラマンの目線で言えばこれが事実です。

雲海の発生を察知してから、1時間も登山をしていては撮影に間に合わない場合もあります。
短時間で雲の上に出られる新道峠は、富士山の、日本の絶景を収めるためにも大変貴重な資源だったと思います。

新道峠といえば夜景の名所であり、星空の名所であり、雲海の名所であり、日本一の絶景と言っても過言ではありません。
新展望デッキが出来た今でも、プロモーション映像には星空や夜明けのシーンが使われています。
バスの運行時間内では、「この景色は見られません」というのは、違和感を持たれても仕方ないことでしょう。

「短時間でアクセスできる」からこそ捉えることができた映像が沢山あったと思います。
今後は、それらのチャンス・貴重な価値を失うことになり、大変残念に思うところです。
これがカメラマンとしての率直な感想になります。

これまで、新道峠の魅力を伝え・広めてきたのは、間違いなく、深夜~夜明けにかけて熱心に写真を撮影してきたカメラマンだと思っているので。
今回の発展で、そうしたカメラマンたちの思いが裏切られてしまったという気持ちです。
一般的に見ればかなり偏った思考なのかもしれませんけど。
これからは、新道峠とその周辺で撮影される写真作品の数も、ガクッと減ってくるでしょう。

そういうわけで、これからは、この新道峠、改め”FUJIYAMAツインテラス”と新しいお付き合いをしていかなければなりません。

事実上、徒歩でしか行けなくなったスポットの、これからの価値を改めて評価しようと思い、今回は行ってきました。
標高差や歩行時間を考えても、三ツ峠山に登るよりは近いのは事実ですから、撮影地の選択肢から外れるということはありません。

当然ながら、展望デッキが整備されたことにより、「展望が良くなった」ことは最大のメリットです。
それから、メインの『ファーストテラス』は、新道峠の旧「第二展望台」の位置にありますので、旧第一展望台よりはいくらか手前に位置しています。
なお峠の稜線に出た地点に、小さい『セカンドテラス』が設けられましたが、富士山にカラマツがやや被る展望となっています。

テラスの周辺は大規模に木々も伐採されて、広く展望が確保されました。
以前のメイン撮影地だった第一展望台では、かなり木々が伸びてきていたので、ここまでの視野が確保できるとかなり気持ちが良いです(数年すると、また伸びてくるんですけどね)。

今回は超広角で撮影してみましたが、左右もスッキリしていて映える光景でした。
運良く朝焼けにも染まり、まずまず良い夜明け。
プロモーションに使えそうな一枚です。

デッキ自体は割と丈夫な印象で、隣の人が歩くと微振動はしますが、ひどくは揺れないと思われます。
また人数が増えてくると分かりませんが、夜の三脚撮影もそこまで心配はないと思っています。

なお、現在は新型コロナウィルス蔓延の影響で、送迎バスは運休しております。

実はこの日は、テラスを管理する笛吹市の職員さんが居て夜明け前から撮影をしていました。
お話させていただいたのですが、なかなか深い所までは伝えきれず。
やはり今後、マイカーで上ってくるのは夢物語のようです。
私のことを知っていたので、この記事もいつか目に留まるかもしれませんね。

新道峠は、御坂黒岳への登山口としても利用できたので、登山を目的とする場合も歩行距離が伸びてしまい不便に。
この日は、せっかく久々に訪れたので黒岳まで登山してきました。
久々の登山だったので疲れた。

冷静に振り返れば、以前に駐車場として使っていたスペースは本来は旋回所であり、駐車場として使えないのが本来の姿なのかもしれません。
人が増えて駐車スペースが無くなれば、道が広いところまでは閉鎖になるのがパターンです。

塩見岳へ登る鳥倉林道も、以前は奥の方まで車で入れたらしいです。
北岳への登山口も、マイカー規制になりました。

結局、人が増えるとそうなっていくんです。

だから皆さんも「車で行ける」スポットは、あまりやたらむやみに広めないほうが良いと思いますよ。

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アップロード日: 2021年8月27日

自己評価: ★★★★☆

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