新年早々に見た、非常に広く色づいた彩雲です。
この日は太平洋に高気圧、日本海に低気圧が発生して南からの気流が予想されていました。
湿度も高まっており、風が山にぶつかれば笠雲や吊るし雲が出るだろうと。
笠雲や吊るし雲の発生を事前に予想している人間は、私以外にどれだけいるだろう?と。
気象予報士でもそこは考えていないのではないでしょうか。
この日は、期待を持って富士山麓にやってきました。
朝は素晴らしい朝焼けとなり、それで満足。
しかし風向きが面白くなるのは9時~12時ごろ。
この時間に笠雲が出なければ仕方ないだろう、と思っていました。
朝の撮影を終えて9時頃から、朝霧高原にスタンバイしました。
雰囲気や湿度からしても、いつ笠雲が出てきてもおかしくない。
常に空の様子を伺いながら、待っていました。
しかし待てど暮らせど笠雲は出ず、疲れ果てて一度は車の中で寝てしまいました。
ふと目が覚めた12時、まだ空に雲はありませんでした。
ところがそれからしばらくして12時頃になり、急にざわざわと雲が湧き出した。
そう!これが狙っていた展開!
すぐにカメラを取り出して撮影開始。
そして撮れたのがこの彩雲でした。
この雲はおそらく、朝霧高原の南西部にある山が作り出した雲の一種でしょう。
太陽が右にあり、よく見るとその付近は見事なほど彩雲に色づいていました。
こんなに面積が広く、鮮やかな彩雲は見たこともなく。
雲の位置からして難しかったかもしれませんが、もっと北側から富士山を狙っていいれば、彩雲と富士山をもっと近づけて撮れたかもしれません。
雲の動きは奇想天外で、どこから撮影するのが正解かはその時になってみないとわかりませんが、
ひとつは太陽の位置を基準にして撮影場所を決めておくのも良いかな、とまたひとつ勉強になりました。
そしてこの後は、富士山の北東側にも吊るし雲が出現し、うっすらと短時間ではありましたが笠雲も出ました。
予想は見事にアタリ。
以前は笠雲などの発生は運要素もあり「たまに見られるレアなもの」と思っていましたが、
ある時から天気図や風向きによってある程度予想できることがわかり、
それからは経験を蓄積しながら、予想の精度を高めています。
アップロード日: 2017年1月3日